Dockerは米国時間6月13日、サンフランシスコで開催中のDockerConで、「Docker Enterprise Edition(Docker EE)」に対する企業向けの一連の新機能およびツールを発表した。最初に発表されたのは、コンテナ化されたアプリケーションを、複数の環境をまたいで管理する機能だ。
提供:Docker
この機能を利用すれば、新しいクラウドプロバイダーを採用するたびに別のコンテナ管理ツール群を採用する必要がなくなるので、成長過程の組織に有効だ。
さらに、DockerはDocker EEをアップデートして、「Windows Server」版「Kubernetes」のサポートを追加した。Dockerは4月、KubernetesがLinuxで利用可能になったことを発表したが、今回のアップデートはそれに続くものだ。
その一方で、Dockerは、より多様な開発者がDockerをより簡単に利用できるようにするため、ワークフローテンプレートも発表した。Dockerの最高製品責任者(CPO)を務めるScott Johnston氏はワークフローテンプレートについて、「足場」のようなものだと説明した。開発者が「アプリケーションをその足場に導入すると、そのアプリケーションが自動で構築され、Docker環境内に組み込まれる」という。
ほとんどの開発者は「自分が作成を任されたビジネスロジックに集中したいと考えている」とJohnston氏は述べた。「彼らがDockerの専門家になるのは、非常に困難だ」(同氏)
今回のさまざまな発表で「最も重要なのは選択の自由、つまり、ユーザーが自分の経済状態やサービスレベルで求められるクラウドやクラスタに展開できるようにすること」だとJohnston氏は述べた。
コンテナを大きな規模で利用する必要性が増大しているが、今回発表された機能はそうしたニーズにも対応する。
複数の環境にまたがる展開の管理を容易にするため、Dockerはすべてのアプリケーションが集約されたビューを備えた単一ダッシュボードへのアクセスをEnterprise Editionユーザーに提供する。そのダッシュボードを利用して、ユーザーはアプリケーションをどこに展開するか決めたり、アプリケーションの移行やレプリケーションを実行したりすることが可能だ。さらに、複数の環境にまたがって一貫したセキュリティとポリシーを実行することも可能になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。