Hewlett Packard Enterprise(HPE)は米国時間6月18日、Armベースのスーパーコンピュータとして世界最大規模となる「Astra」を発表した。これにより、エクサスケールに向けた競争がさらに興味深いものとなる。
HPEは、サンディア国立研究所と、米エネルギー省(DOE)傘下の米国家核安全保障局(NNSA)の依頼に基づいてAstraを開発している。NNSAは国家の安全保障やエネルギー、科学、ヘルスケアなどに関連する高度なモデリングやシミュレーションといった用途でAstraを運用する計画だ。
HPEの高度テクノロジグループのバイスプレジデントであるMike Vildibill氏が米ZDNetに語ったところによると、同社はArmベースの他のスーパーコンピュータ開発にも携わっているが、2018年中に引き渡される予定のAstraは「Armベースのスーパーコンピュータとして間違いなく世界最大規模のものになる」という。
この高性能計算(HPC)システムは、Caviumが開発したArmベースのプロセッサ「ThunderX2」を5184基搭載している。各プロセッサには28のコアが搭載されており、駆動周波数は2GHzとなっている。Vildibill氏によると、Astraの理論ピーク性能は2.3ペタFLOPSを上回り、Armベースのスーパーコンピュータにとっての到達点の1つである、世界スーパーコンピュータランキングの100位以内という目標を余裕で達成できるはずだという。
HPCのエコシステムを見た場合、今まではx86ベースのテクノロジが優勢だった。
Vildibill氏によると、「同政府機関はArmを、未来においてエクサスケールを達成するうえで重要な役割を果たすマイクロプロセッサの1つと捉えている」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。