Intelの最高経営責任者(CEO)を務めるBrian Krzanich氏が辞任した。
Intelは米国時間6月21日、Krzanich氏が辞任し、取締役会が最高財務責任者(CFO)のRobert Swan氏を暫定CEOに指名したことを発表した。取締役会は、後任探しを既に開始しており、社内外の双方で候補者を検討している。
Intelによると、取締役会は、妻帯者であるKrzanich氏が過去に、社員との間で同意の上での親密な関係にあったことを把握し、調査の結果、Intelの全管理職に適用される社則に違反したことが確認されたことから、今回の辞任に至ったという。
Brian Krzanich氏
提供:Stephen Shankland/CNET
Krzanich氏は、シリコンバレーで最大の規模と実績を誇る企業の1社であるIntelの多角化を押し進めてきた。最高執行責任者(COO)を経てCEOを約5年間を務めた。同氏は、世界のトレンドがモバイルへと向かう中、Intelが支配的な地位を維持できるかどうか疑問視される中で同社を統括し、ドローンから仮想現実までのあらゆる事業に投資した。
後任はどうなる?
Intelではこの数年間で、CFOを務めたStacy Smith氏や、データセンターグループの責任者だったDiane Bryant氏、元プレジデントのRenee James氏など複数の主要幹部が辞任している。
CowenのアナリストであるMatthew Ramsey氏は、「Krzanich氏の辞任は、Intelにとって難しい時期に重なった」と述べた。「上級幹部の最近の交代から考えて、社内には長期的に後任となる明らかな後継者が見当たらない」(Ramsey氏)
Gwennap氏とMoor Insights & StrategyのアナリストPatrick Moorhead氏は、Intelが社内から新CEOを指名する場合の可能性のある候補の1人として、最高エンジニアリング責任者で、Intelのテクノロジ、システムアーキテクチャ及びクライアントグループのグループプレジデントであるVenkata "Murthy" M. Renduchintala氏を挙げた。
Renduchintala氏は2015年に、競合のQualcommからIntelに入社した。Qualcommではチップ事業の統括に携わっていた。Intelは長年、PCやサーバチップ市場を支配してきたが、Qualcommはさらに成長著しいモバイル市場で優勢となっている。Renduchintala氏の雇用は、事業の多角化を進めるIntelにとって大きな追い風になるとみられた。また、データセンターグループ幹部のNavin Shenoy氏も候補となる可能性のある人物として挙げられている。
Moorhead氏は、社外からCEOが選任される可能性もあるとしているが、過去50年間の歴代CEOはすべて社内から選出された。
後任CEOの決定に関わらず、「製造分野の課題解決や、企業文化の刷新の継続、そして自動車やAIといった新たな分野への多角化を管理することが優先事項となる」とGwennap氏は述べた。
Intelは詳細なコメントを控えたが、後任探しの期間に、移行を円滑に進めたい考えのようだ。Intelは第2四半期について、記録的な業績を見込んでいると述べた。売上高は約169億ドル、非GAAPベースの1株あたり利益は99セントとなる見通しとしている。正式な決算は7月26日に報告される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。