
Kofax 最高経営責任者(CEO)のReynolds C. Bish氏
Kofax Japanは7月10日、日本市場での事業戦略を発表した。RPA(ロボティックプロセスオートメーション)をはじめとした業務プロセスの自動化を支援する。さらに、光学文字認識(OCR)やビジネスプロセス管理(BPM)、ケース管理(DCM)を組み合わせた統合ソフトウェア基盤で、“インテリジェントプロセスオートメーション(IPA)”を推進する。
米Kofaxは1985年創業のソフトウェアベンダー。紙やファクス、電子ファイルなどさまざまな種類の文書や帳票を取り込み、検索可能な文字データに変換するドキュメントキャプチャソフトウェアを提供してきた。近年は、業務プロセスの自動化を支援する統合ソフトウェア基盤「Kofax TotalAgility」を展開。RPAツール「Kofax Kapow」を中核に、OCR、BPM、DCMなどを組み合わせドキュメントを主体とした業務全体のオートメーションを可能にする。

kofaxの主な用途

Kofaxの目指すインテリジェントプロセスオートメーション
Kofax Kapowはサーバ型のRPAツール。オンプレミスあるいはクラウド環境に構築したサーバでソフトウェアロボットを一元的に管理、統制する。サーバで稼働するロボットの同時実行数に応じて費用を計算するライセンス体系となっている。ロボットを実行するクライアントごとにライセンス費が発生する一般のRPAツールと比べて、コストを安く抑えられるとしている。
Kapowは現在600社以上が導入し、数十万台のロボットが稼働しているという。銀行や保険、製造、小売、政府など、幅広い業界で利用されている。国内事例では、三菱UFJ銀行の導入が明らかになっている。同行全体にわたる2000件超の手動プロセスをRPAツールで自動化する。

三菱UFJ銀行 デジタル企画部 上席調査役の西田良映氏
同行は、POC(概念実証)を通じてRPAのユースケースを探り、2014年7月にKofaxを使って銀行業務の効率化に着手した。RPAの管理・運用はデジタル企画部が主導し、センターオブエクセレンス(CoE)による中央集権型の組織で進めた。同部門のデジタルアナリストが業務の現状を分析し、あるべき姿を提案する。専任のロボット開発者が50人超いる。現在は500~600のロボットが稼働し、業務環境に変更が生じても即座に対応できる体制を整えているという。
日本市場での事業戦略については、国内企業の課題であるドキュメントを起点とした業務プロセスの自動化を訴求していく。また、SAP ERPやOracle E-Business Suite(EBS)を取り巻く周辺プロセスの自動化もアピールする。
また、国内の販売戦略の強化にも取り組んでいる。5月には富士通とグローバルでの販売パートナー契約を締結したほか、今回、アクセンチュアとJIECともパートナー契約を結んだことを明らかにした。