GEヘルスケアとルネサス、AIで工場の生産性を向上--不良品の発生を最大65%削減

NO BUDGET

2018-09-07 16:12

 ルネサス エレクトロニクスは9月4日、製造機械向け「AIユニットソリューション」を用いた実証実験をGEヘルスケア・ジャパンと共同で実施。不良品の発生を最大約65%削減し、大幅な生産性向上が可能であることを確認したと発表した。

 実証が行われたのは、GEヘルスケア・ジャパンの本社日野工場。同工場は、CT(コンピュータ断層撮影)やMR(磁気共鳴画像)、超音波診断装置などの医療機器を製造しており、世界に約450あるGEグループの生産拠点のうち、モノのインターネット(IoT)の活用で生産効率などが特に優れている「“Brilliant Factory”を牽引する工場」の最初の7カ所に選ばれている。

 AIユニットソリューションは、既存の設備や機械に「AIユニット」という後付け型の装置を取り付けて、異常検知や予知保全を実現するもの。

 学習済みニューラルネットワークモデル(学習済みモデル)を1日程度の短期間で適用することが可能で、センサデータの収集から加工、分析、評価、判定までの一連の処理をリアルタイムに行える。エンドポイントの製造機械側で正常/異常を判断し、異常検知の結果のみを送信するため、通信データ量を増やす必要はない。異常な波形を検知した際は、リアルタイムにアラームを出して製造を一時停止する。

実証実験の概要
実証実験の概要(出典:ルネサス)

 実証実験は2017年8月から2018年6月まで実施された。製造機械にAIユニットを取り付け、異常検知による不具合の早期発見や不良品の低減効果に対する検証を行った。AIユニットの試作機に学習済みモデルを組み込み、製造機械に取り付けて実施された。製造機械から出力される波形データを計測することにより、従来は見えなかった加工の状態を把握できた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]