日本IBMは10月12日、オープンソースの分散型ストリーミング基盤「Apache Kafka」をベースに管理機能や耐障害性を拡張した「IBM Event Streams」の提供を開始すると発表した。イベント駆動型のアプリケーションをオンプレミスとクラウドで容易に構築できる。参考価格は、最小構成で月額1061円(税別)から。
Apache Kafkaは、モノのインターネット(IoT)やウェブサイトログ、ハックエンドシステムなどで発生する大量のイベント情報を収集し、データ分析などに役立てられる分散型システム。IBMでは、2015年からパブリッククラウド「IBM Cloud」でKafkaのマネージドサービスを提供しており、今回はこれをプライベートクラウド「IBM Cloud Private」でも提供する形だ。
Event StreamsはDockerイメージで提供されるため、本番環境で使用する際に必要となる複数のコンポーネント構成や複雑なデプロイ作業などが不要となる。また、システムの稼働状況を監視し、問題が発生した場合にはアプリケーションを診断する機能を備える。データフローの可視化のほか、スループットの傾向や個別イベントのコンテンツを把握することも可能。IBM Cloudのデータセンター間でデータを複製することで、災害対策環境を容易に構成できる。
メッセージングミドルウェア「IBM MQ」やアプリケーション連携基盤「IBM App Connect」などの既存システムとの接続にも対応する。例えば、既存システムからMQ経由でEvent Streamsと連携することで、開発者の持つ既存のスキルやデータを生かしながら、イベント駆動型の技術を活用したアプリケーション開発に専念できる。
モバイル/IoT対応やビッグデータ活用、人工知能(AI)の本格活用、マイクロサービス化、APIエコノミーへの対応など、今日のITを取り巻く環境は大きく変化している。デジタル変革による顧客体験の向上を実現するには、「Integration Modernization」によるデータ連携基盤の近代化が重要であると、IBMクラウド事業本部 クラウドソフトウェア事業部 ソリューション営業部 部長 相川和己氏は強調した。

Integration Modernizationの必要性