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Windows Server 2019などへの移行を促す--マイクロソフト

阿久津良和

2018-10-31 06:30

 日本マイクロソフトは10月30日、Windows Server 2019とMicrosoft Azureを核としたハイブリッドクラウド戦略に関する記者説明会を開催した。業務執行役員 クラウド&エンタープライズ本部長の浅野智氏は「2020年1月までにWindows Server 2019による機能の8割を顧客に使っていきただく」と述べ、Windows Server 2008/2008 R2など古いOSからの移行を強く促した。

日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズ本部長の浅野智氏
日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズ本部長の浅野智氏

 2017年にIDCが実施した調査結果によれば、日本のクラウドサービス利用率は16%にとどまる。同様に日本マイクロソフトも2017年に行った調査によれば、ハイブリッドクラウド戦略を持つ企業の割合は84%で、2016年に実施した調査での結果の55%からは大きく向上している。一見すると顧客意識が高まりつつあるようだが、その背景にはクラウド移行に伴う多くの課題が存在するという。

 マイクロソフトは8月8日、2020年1月にサポートが終了するWindows Server 2008/2008 R2と、2019年7月にサポートが終了するSQL Server 2008からの移行施策を発表したが、そこから今回まで2カ月間の状況として、同社が約4000社以上の顧客にアプローチしたところ、約6割がオンプレミスからクラウドへ移行したいという要望を持ち、その半数がMicrosoft Azureを検討対象に加えているという。先の発表時に同社は、「25%がファイルサーバの移行、52%が業務アプリケーションの移行を望んでいる」(浅野氏)と分析していたが、今回のアプローチでは多くの顧客がファイルサーバやアプリケーション、データベースに関する課題を抱えていることが分かったという。

 ファイルサーバの移行は、ネットワーク帯域の占有や回線能力に応じた転送コストが膨れ上がり、場合によっては通常業務に悪影響を与えかねない。アプリケーションに関しては、ID管理や運用管理、法令順守に伴う対応が課題として浮上した。データベースは、オンプレミスとクラウドの混在管理や移行タイミングを見計らうのが難しいという。これらの顧客課題の解決策としてマイクロソフトは、Windows Server 2019とMicrosoft Azure、そしてAzure Stackが混在したハイブリッドクラウドを提示した。浅野氏は、「ベアメタルをクラウドに配置するだけではハイブリッドとは言えない。認証管理やアプリ基盤、データベース、運用管理全てをそなえてこそ、真のハイブリッドクラウド」と定義した。

日本マイクロソフトが定義するハイブリッドクラウドに必要な機能群
日本マイクロソフトが定義するハイブリッドクラウドに必要な機能群

 例えば、前述のファイルサーバ移行には「Azure File Sync」を用いることで、Windows Server 2019のストレージとMicrosoft Azureのストレージを同期すると同時に、オンプレミス側にはローカルキャッシュを生成する。同機能は、使用頻度の高いファイルや同期容量の変更など、柔軟な設定を講じることで、ネットワーク転送の遅延時間を制御できるという。その他にもWindows Server 2019上のデータをMicrosoft Azureにバックアップする「Azure Backup」や、災害発生時にHyper-V上の仮想マシンをMicrosoft Azureへフェールオーバーする「Azure Site Recovery」など多くの機能を備える。

 なお浅野氏は、「ネットワーク環境と(クラウドにアップロードする)データ量で移行方法が異なる。夜間のバッチ転送も選択肢の1つだが、日本では未提供の『Azure Data Box』(顧客先でデータをコピーしたHDDをMicrosoftが預かり、Microsoft Azureにアップロードする)も早ければ、2018年年末もしくは2019年に提供したい」とこれからの手法も提示した。

ソフトバンク コマース&サービス ICT事業本部 MD本部 ビジネスソフトウェア統括部 第2BSWマーケティング部長 兼 技術統括部 テクニカルマーケティングセンター長の齋藤主典氏
ソフトバンク コマース&サービス ICT事業本部 MD本部 ビジネスソフトウェア統括部 第2BSWマーケティング部長 兼 技術統括部 テクニカルマーケティングセンター長の齋藤主典氏

 実際にファイルサーバを移行したNext Readは、Windows Server 2019とAzure File SyncおよびAzure Storageでハイブリッドサーバを構築。同社は全国各地で手掛けた案件に関するデータが散在し、この課題を解決するために双方向同期型で複数拠点の情報共有を可能にしている。移行案件を手掛けたソフトバンク コマース&サービスは、「購入前相談を受け付ける『Azure相談センター』にNext Readから連絡があり、当初はOneDrive for Businessを提案したが、管理が煩雑になる」(ICT事業本部 MD本部 ビジネスソフトウェア統括部 第2BSWマーケティング部長 兼 技術統括部 テクニカルマーケティングセンター長の齋藤主典氏)とし、既存のファイルサーバを生かしたクラウド共有に至ったという。

Next Readに導入したハイブリッドサーバ ソリューション
Next Readに導入したハイブリッドサーバ ソリューション

 またGMOインターネットは、Windows NT時代から仮想化ソリューションを手掛け、これまで約13万台の仮想サーバを提供し、Windows Server 2019ではファイルシステム「ReFS」の重複除去機能に注目しているという。ステム本部 チーフエグゼクティブの樋口勝一氏は、「(前バージョンの)Windows Server 2016の時点で新サービスの開発に取り組んでいた。ReFSを用いることで集約率と各仮想マシンのパフォーマンスの向上が期待できる」と述べ、他方で新製品に付きものとなるバグについても、「懸念は残るが、20年間Microsoft製品を扱ってきた経験で判断した。リスクを踏まえても(Windows Server 2019を選択する)メリットは大きい」としつつ、新たなハイブリッドクラウドサービスの提供を目指すと語った。

GMOインターネット クラウド事業部長の髙田孝一氏(左)と同システム本部 チーフエグゼクティブの樋口勝一氏
GMOインターネット クラウド事業部長の髙田孝一氏(左)と同システム本部 チーフエグゼクティブの樋口勝一氏

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