PwCの戦略コンサルティング部門であるStrategy&は11月29日、「デジタル自動車レポート 2018」を発表した。これによると、次世代移動サービス「MaaS(Mobility as a Service)」の市場は、米国・欧州・中国の3地域の合計で2017~2030年の間に年平均成長率(CAGR)25%で成長し、2030年までに1兆4000億ドルに到達すると想定される。
地域別には、2030年に中国が6560億ドル、米国は2500億ドル、欧州は4510億ドルに達すると予想される。なお同市場の2017年度の市場規模は870億ドル。
さらにMaaSは2030年までに、自動車業界における売り上げの22%、利益の30%(2017年は売り上げの2%、利益の1%未満)を占める一方で、新車販売は売り上げの38%、利益の26%(2017年は売り上げの48%、利益の41%)と大きな構造転換が生じる可能性があるという。従来のサプライヤー事業、自動車販売、アフターサービス市場で得られる利益の割合は、現在の71%から2030年には41%とほぼ半減する可能性がある。
また、価格競争力のある「ロボタクシー」(オンデマンド配車サービスでの活用を前提とする自動運転車)が利用可能になった場合、自家用車を手放してもよいと答えた人の割合は米国・欧州・中国の3地域のうち、中国が最も高く79%で、欧州は47%、米国は38%にとどまった。