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サイバー組織の連携強化やAIの活用促進--マカフィーの2019年セキュリティ予測

渡邉利和

2018-12-13 10:08

 マカフィーは12月11日、2018年のセキュリティ事件に関する意識調査の結果に基づく「2018年の10大セキュリティ事件ランキング」と、2019年の脅威動向予測を発表した。

 調査は今回で5回目。2017年11月~2018年11月の1年間に報道されたセキュリティ事件に対する認知度をインターネットアンケート(複数回答)で尋ねた。2016年、2017年の調査は、2年連続で「ランサムウェアの年」と認識された。

 これに対して2018年は大きく様変わりし、脅威動向の変化傾向がうかがえる結果だった。一方で、報道の大きさから受ける印象の大小を反映する調査の性格から、現実の脅威度合いとは必ずしもリンクしてはいないという。「漫画村」や「ツイッター」など、セキュリティインシデントには分類されないような件もランクインしている。調査に関する同社の見解として、「仮想通貨は『常にサイバー犯罪者に狙われている』」「フィッシングメールの『巧妙化』」の2点を指摘している。

 2018年の10大セキュリティ事件ランキングと回答者の認知度は下記の通り。

  1. コインチェック 秘密鍵を流出し、580億円相当の仮想通貨「NEM」が流出(2018年1月)--48.7%
  2. 佐川急便をかたるフィッシングメール。不正アプリをダウンロードすると個人情報を盗まれ、さらなる犯行の発信元として悪用される(2018年7月~)--38.1%
  3. 海賊版サイト「漫画村」が社会問題に 一部では、利用者のデバイスを仮想通貨マイニングに利用(2018年1月)--33.5%
  4. アダルトサイトの閲覧を周囲に暴露すると脅して、仮想通貨の支払いを要求する「性的脅迫(セクストーション)」の手口を使った詐欺メールが出回る(2018年10月)--30.6%
  5. 「アラート:あなたのアカウントは閉鎖されます。」という件名でAmazonの偽サイトへ誘導する、Appleをかたるフィッシングメールが出回る(2018年6月)--30.5%
  6. Facebookでインシデント相次ぐ 機能テスト中のバグで1400万人が意図せず投稿を「全員に公開」(6月)、2,900万人分の個人情報が流出(9月~10月)--28.9%
  7. ルーターへのサイバー攻撃が相次ぎ、パソコンやスマートフォンでネットが使えなくなる不具合が多発 NTT、ロジテック、バッファローの機種で被害を確認(2018年3月~4月)--25.6%
  8. JALがビジネスメール詐欺(BEC-Business E-mail Compromise)により、偽の請求書メールにだまされ約3億8000万円の被害に(2017年12月)--25.4%
  9. ツイッターの偽アカウントを一斉削除 対象は数千万件に上るとみられ、一部利用者のアカウントからは急激にフォロワー数が減る可能性が(2018年7月)--24.2%
  10. 「重要:必ずお読みください」というタイトルでフィッシングサイトへ誘導する、セゾンNetアンサーをかたるフィッシングメールが出回る(2018年3月)--23.0%

 また、2019年の脅威予測に関して6つの内容を発表した。トップに挙げたのは、「サイバー犯罪組織の結合/連携」というもの。高い技術力を有する組織が開発した「出来の良いマルウェア」が他の組織でも使われるといった“アンダーグラウンドでのマルウェア流通”という面と、複数の組織がさまざまな手法で収集した個人情報などを統合、分析することにより、詳細な機密情報を奪取するといった“攻撃成果の統合によるさらなる被害拡大”の両面が懸念されている。

 加えて「AIの活用」に関しては、セキュリティベンダーがAI(人工知能)を活用してマルウェアの検知に取り組んでいる現実を踏まえ、「AIに間違った情報を学習させる」攻撃手法なども出現しているという。本来の攻撃に先立って、まずAIに間違った検出情報を学習させるための“おとりマルウェア”を配付しておき、AIがこのおとりマルウェアに基づいた学習をした後で、本番のマルウェアを配付する、というものだ。

マカフィー セールスエンジニアリング本部長の櫻井秀光氏
マカフィー セールスエンジニアリング本部長の櫻井秀光氏

 こうした手法を成立させるためには、防御側が利用しているAIの特徴を攻撃側が研究し、場合によっては同様のAIを構築して、さまざまなデータで学習させて結果を確認する、といった取り組みが行われているものと推察されている。また、感染に成功したマルウェアがAIを活用して感染後の攻撃手法として最適なものを選択するという手法も指摘された。

 セールスエンジニアリング本部長の櫻井秀光氏は、2019年の脅威予測について「2018年に既に起こってしまっているセキュリティ事件と関連する内容も多い」と指摘。ここでの予測が、将来の可能性レベルの話ではなく、既に現実的な脅威として認識されているものだとした上で、同社としてもさらに対応を強化していくとした。

 調査には国内在住の22歳以上の男女1552人が回答。職種の内訳は、情報システム部門社員が1032人(66.4%)、一般社員が312人(約20%)、経営層が208人(13.6%)となっている。

マカフィーによる2019年の脅威予測
マカフィーによる2019年の脅威予測

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