製品作りに専念したい--クラウド対応を強化する楽器メーカー「フェンダー」の挑戦

Asha McLean (ZDNet.com.au) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-12-15 08:00

 老舗ギターメーカーのFenderは、競争力を維持するために、ビジネスモデルを刷新する必要があった。これは、ギターを始めたばかりの人たちがいる、モバイルの分野へと進出することを意味していた。

 Fender Instruments Corporationの最高デジタル製品責任者兼ジェネラルマネージャーEthan Kaplan氏は、次の世代のギタリストを育てようとしている同社の課題を端的に示しているのは、初心者ギタリストに関する統計だと述べている。

 Kaplan氏によれば、例年、ギタリストの45%をギターを始めたばかりの人たちが占めており、これらの人々はギターの購入にかけた金額の4倍の費用を、レッスンに費やしているという。

 同氏はラスベガスで開催された「AWS re:Invent」で、「しかし、さらに大きな問題がある。初心者の90%は6カ月以内にギターをやめており、その多くは90日以内にやめているということだ。ここにチャンスがある」と述べた。

AWSで話をするKaplan氏
提供:AWS

 「その時期を乗り越えた10%は、生涯で8~10本のギターを購入し、その多くがFenderのギターだ。もしギターを続ける人の割合を増やせれば、わが社にとって大きなチャンスになる」(Kaplan氏)

 ギターを買った初心者は、最初にまずギターをチューニングしなければならない。しかしKaplan氏によれば、App Storeで手に入る60種類あまりのギターチューニングアプリの中に、初心者にチューニングの仕方を教えるものは1つもなかったという。

 「だから、自分たちで作った」と同氏は言う。「わが社は2年前に、最初のアプリケーションである『Fender Tune』をリリースした。このアプリは何百万人もの人に使われている」

 Fenderは続けて、デジタルアンプ「Mustang」を遠隔操作できるアプリ「Fender Tone」を作った。

 同社はチューニングアプリのカスタム設定とアンプのプリセット設定をクラウドに保存するために、AWSを使用した。

 これらのアプリの成功を受けて、同社はさらに前進することを決めた。

 Kaplan氏は、Fenderは「ギターの学び方を改革しようとしている」と話す。

 同社は1年前に、初心者ギタリストを取り込み、ギターを続けさせることを目指すデジタル学習アプリ「Fender Play」をリリースした。

 「わが社の目標は、わが社のギターと同じくらい優れたオンライン学習アプリを作ることだった。YouTubeには、ソファに座ったインストラクターを『Go Pro』で撮影し、その後ろに飼い猫が歩いているようなギターの弾き方ビデオが投稿されているが、これはそれとは根本的に違う。これは厳密に定められたカリキュラムに沿って、スタジオで撮影された4Kの高品質な動画であり、500曲以上の演奏方法を学べるコンテンツが提供されている」と同氏は言う。

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