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「ビジネスメール詐欺」防御にAIベースの新技術を投入--トレンドマイクロ

渡邉利和

2019-01-30 10:00

 トレンドマイクロは1月29日、ビジネスメール詐欺(BEC:Business E-mail Compromise)対策の新技術「Writing Style DNA」を発表した。この技術はクラウドアプリケーション向けセキュリティサービス「Trend Micro Cloud App Security」に組み込まれ、2月15日から順次提供する。

 新技術が対象とするのは、CEO(最高経営責任者)やCFO(最高財務責任者)といった企業内の重要人物になりすまして不正な送金指示などのメールを担当者に送付し、実行させるというなりすましタイプのBECだ。こうしたなりすましの標的になると想定される重要人物が実際に送信するメールの文面の特徴を機械学習によって抽出し、“文体モデル”といったようなものを生成、このモデルと照合することでなりすましの可能性の高いメールについては警告を行う。

「Writing Style DNA」による学習の内容
「Writing Style DNA」による学習の内容

 事前に人工知能(AI)に学習させてモデルを生成しておかなくては機能しない点や、誤判定の可能性も考えられることから、Writing Style DNAだけで完全になりすましを防ぐことは意図してはいないとする。説明を行ったビジネスマーケティング本部 エンタープライズソリューション部長の宮崎謙太郎氏は、以前から同社ではBEC対策として「送信者ドメイン認証」や、不審なヘッダや本文の特徴から不審メールを総合的に判断する「SNAP(Social eNgineering Attack Protection)」といった技術を多層防御の一環として提供していることを踏まえ、「Writing Style DNAはこれらの既存技術を置き換えるものではなく、多層防御に新たな層を追加するもの」と位置づけた。

トレンドマイクロ ビジネスマーケティング本部 エンタープライズソリューション部長の宮崎謙太郎氏
トレンドマイクロ ビジネスマーケティング本部 エンタープライズソリューション部長の宮崎謙太郎氏

 BECに関しては、グローバルで多額の被害が報告されているだけでなく、国内でも億単位の被害を受けた事例があるなど、国内企業を狙った攻撃が既に始まっている。同社が実施した「ビジネスメール詐欺に関する実態調査 2018」では、回答企業の約4割が「経営幹部・取引先などになりすましたBECのメールが『送られてきたことがある』」と回答しており、対策が求められている。

 同社では、担当者がメールの不審な点に気付くなど、社内の人やプロセスによって被害を阻止できた例もあるとする一方、セキュリティソフトウェアなどの警告によって気付いた例もあるとし、人やプロセスの改善とテクノロジによる両面での対策強化が必要だとしている。

 Writing Style DNAは、まず「Trend Micro Cloud App Security」に実装され、提供が開始される予定だ。さらに、「Office 365対応(英語)」が2月15日に、「Gmail対応(英語)」が2019年第2四半期に、「日本語メール学習対応」が2019年下半期にそれぞれ提供が開始される予定。なお、Trend Micro Cloud App Securityの利用料金は1ユーザー当たり年間4150円(税別、1000~1999ライセンス購入時)で、Writing Style DNAは追加料金なしで利用できる。

Trend Micro Cloud App Securityの概要
Trend Micro Cloud App Securityの概要

 また、オンプレミス環境向けとして「InterScan for Microsoft Exchange」に2月18日に実装する予定となっている。

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