4月15日に終了する「サイボウズLive」。前回の記事で移行先として紹介した5つのサービス以外にも、無料のメーリングリストとしてサービスを提供し、グループメンバーの移行が可能な「らくらく連絡網」、医療施設に特化したサービスを展開する「メディライン」など、移行サポートを表明するツール、ベンダーは複数存在する。
年明け早々には、ビジネスチャット「Chatwork」、クラウドサービス「Aipo」などが移行サポートツールの提供を開始。終了に向けて活発な動きが見て取れるが、実際の市場の動きやユーザーの移行具合、また使い勝手など移行後の反応はどうなのだろうか。データ移行ツールなどでサイボウズLive終了後の“難民”を支援する“移行サポーター”に話を聞いた。
まだまだ利用中--移行のピークはこれから
「Chatwork」(出典:Chatwork)
年を開けての移行ツール公開となったChatwork(大阪府吹田市)。コーポレート本部の人事総務部で広報ディレクターを務める山田葉月氏は、「終了となる2~3カ月前までは利用しているユーザーが多いのでは」と予測する。本格的に移行をスタートするタイミングに合わせて公開したという。
移行データは掲示板のみとした理由には、サイボウズLiveとのツールの差があるという。「サイボウズLiveと全く同じ使い方は難しい。移行後にChatwork上で過去の履歴を発見できる形が、Chatworkの価値を最大限提供できる移行と考えた」(山田氏)
実際、誰にでもやみくもに移行を勧めるつもりはないという。「移行を勧めたいユーザーは、掲示板でのやり取り頻度が高かった方。サイボウズLiveを通して社内コミュニケーションを頻繁に交わしていた中小企業ユーザーなどには特にお薦めしたい」(山田氏)。コミュニケーションツールとしての活用が多いユーザーならば満足できるはずと見解を語る。
判断基準は“使用目的”
「Backlog」(出典:ヌーラボ)
プロジェクト管理ツール「Backlog」を開発、提供するヌーラボ(福岡市中央区)では、2017年10月にツールの提供を発表、2018年5月に開始している。PR/コミュニティマネージャーを務める五十川慈氏は、「サイボウズLiveの終了アナウンス後、非常に問い合わせが多かった」と振り返る。ツールを提供してから数カ月経った今でも問い合わせ、移行ユーザーともにコンスタントに存在するという。年度末となる3月末頃をピークと予測する。
Backlogに移行したユーザーの反応は概ね好評だという。直感的に使えるわかりやすさや楽しくコミュニケーション可能な絵文字スタンプなど、連携や通知に関する機能の評価が特に高いようだ。
とはいえヌーラボとしても、万人にBacklogを勧めるわけではない。「Backlogはあくまでプロジェクトを共同で管理するためのツール。イベントやスケジュール管理のみに使おうとするユーザーには合わない可能性がある」(五十川氏)
また、移行ツールとして提供する「サイボウズLive インポーター」はコマンドラインツールになる。“移行担当”にはある程度のリテラシー、プログラミング経験などはあったほうが良さそうだ。