第2回では「Chromebook」が持っている無限の可能性について解説しましたが、今回は様々なOSやグループウェアを利用している環境でもChromebookが活用できる機能について解説いたします。
前回まではChromebook+G SuiteやAndroidアプリの利用についてメインにお伝えしましたが、読者の方々の多くは「うちの会社はOffice 365を使っている」、「作業環境のメインはWindowsを使っている」という考えから、自分たちには関係ない話と感じている方も思います。そして、そのような方にとってChromebookを使うことに対してのメリットが見えないのは事実ではないかと思います。
ですが、全く関係のない話ではありません。むしろWindows環境を使っているユーザーでもChromebookを使うことで組織の業務システムを有効活用し、企業にとってメリットがあり、かつ運用面でも効果が発揮することが可能です。
ChromebookをVDIとして活用する
ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)や仮想化デスクトップ基盤(VDI)といったキーワードがトレンドになり、話題になっていますが、実はChromebookをVDIのクライアントとして利用することが可能です。
VDI環境を利用するには利用するユーザー側は何かしらのクライアント(シンクライアント)を利用する必要があり、様々なシンクライアントを各社提供しています。最近のトレンドとしてクライアントの仮想化はVDI環境がメインになっており、利用されるシンクライアントの特長としては、
- クライアント側はデータを一切保持しない
- クライアント側はサーバーに接続し、操作を行うだけ
というシンプルな機能を備えたものが標準になっています。
VDIを導入するメリットとして、セキュリティ対策が挙げられます。昨今セキュリティ管理を重視する企業が増えており、厳しい規制やデータ漏洩、ウイルス対策、盗難など深刻な問題が発生することを未然に防ぐことを課題にしている企業も多いと感じています。そのような企業は様々なセキュリティ対策を行っていますが、VDIの導入を選択肢にしている企業も多いことでしょう。
VDIを選択するもう一つの要因は働き方改革の推進があると考えています。働き方を変えるために外出先や自宅などテレワークで働くことを導入推進する企業にとって、働く環境は会社と同じに環境にしつつ、セキュリティも担保しなければならないという問題を抱えています。
このようなVDI環境にChromebook+Chrome Enterpriseは、非常に適しているのです。
なぜVDI環境に適しているかというと、シンクライアントとして重要視される機能を実装しており、加えて、前回もお伝えた通りChromebookはセキュリティ面での機能が実装されているため、データの暗号化など多層防御の原則に基づいて複数の層で情報を保護しています。
「ChromebookってChrome OSを搭載しているからシンクライアントとして動作しないのでは?」と思われる読者の方が多数ではないかと思いますが、前回お伝えしたChromeウェブストアにはVDI環境を提供しているソフトウェア製品のクライアントアプリが多数用意されています。
ChromeウェブストアのVDI接続用クライアントアプリケーション例(出典:シネックスジャパン)
ChromeウェブストアのVDI接続用クライアントアプリケーション例(出典:シネックスジャパン)
これらのソフトウェアを使うことでChromebookがシンクライアントとなり簡単に仮想デスクトップを実行しているサーバーに接続することができます。