「ロボットが仕事を奪う」は少数派、8割は「共存に抵抗なし」--Blue Prism調査 - (page 2)

鈴木恭子

2019-05-08 07:00

 実際、自動化ツールの導入については回答者の53%が「懸念を抱いている同僚がいる」と回答しており、44%が「デジタルワークフォースと仕事を共有する自分の能力に自信がない」と回答している。こうした結果についてBlue Prismでは「技術の潜在的な可能性を引き出すには、企業は文化的な考慮事項に対処する必要がある」としている。

 Blue Prismで最高マーケティング責任者(CMO)を務めるChris Bradshaw(クリス・ブラッドショー)氏は「RPAやインテリジェントオートメーションといった技術は、ポジティブな意味で破壊的だ」とコメントしている。RPAを導入する際には、適用業務の内容を棚卸しして“何を”“どのように”自動化すべきか判断する必要がある。そのためには、組織体制を見直す必要があるからだ。

Blue Prism CTO David Moss氏
Blue Prism CTO David Moss氏

 Blue Prismの共同創立者で最高技術責任者(CTO)のDavid Moss(デビッド・モス)氏は記者会見で、「RPAにはインテリジェントオートメーション機能の拡充が求められる」との見解を示した。

非構造化データのスキャンから入力処理まで

 今回のBlue Prism World 2019 Londonでは、インテリジェントオートメーション機能の拡充を具現化した新機能が発表された。それがBlue Prismが独自開発したAI駆動型の文書処理機能である「Blue Prism Decipher」だ。

 Decipherは、光学文字認識(OCR)、文書分類、関連値の抽出、自動入力のすべてを包含した機能を提供する。具体的には非構造化や半構造化のデータなど、フォーマットを問わずスキャンした文書をデータ化し、AIがデータポイントを特定して抽出してRPAプロセスで使用できるようにする。

 これにより、例えば、紙の請求書をスキャンしただけで、決められた経理業務フローに従ってDecipherが自動処理する。Moss氏は「Decipherは今後、さまざまな文書をサポートする予定だ。インテリジェントオートメーション機能が拡張すれば、自動化プロセスの範囲はさらに拡大し、業務の効率化が進む」と説明する。

Decipherのワークフロー。オレンジ色の部分(読み取り→文書識別→データポイントの抽出/入力を処理する
Decipherのワークフロー。オレンジ色の部分(読み取り→文書識別→データポイントの抽出/入力を処理する

 多くのナレッジワーカーは、こうしたインテリジェントオートメーションの導入に積極的であり、自動化に伴う企業文化の変化に前向きな姿勢を示しているという。実際、ナレッジワーカーの78%が「新しいスキルを習得することが、雇用を維持するために不可欠」だと回答している。

 また、ビジネス意志決定者の76%も、「デジタルレイバーを積極的に導入し、企業文化の変化に積極的に取り組んでいる」と回答している。なお、組織変更とRPAに対する投資は、半数以上の組織が「比較的十分な準備ができている」とのことだ。

ロンドン郊外のExCeL Londonで開催した「Blue Prism World 2019 London」。昨年の2倍以上にたある2600人が参加した
ロンドン郊外のExCeL Londonで開催した「Blue Prism World 2019 London」。昨年の2倍以上にたある2600人が参加した

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