グーグル、「GCP」の大阪リージョンを正式運用--東京に続く国内2拠点目

藤本和彦 (編集部)

2019-05-15 07:00

 グーグルは5月14日、パブリッククラウド「Google Cloud Platform(GCP)」の大阪リージョンの正式運用を開始したと発表した。2016年に開設した東京リージョンに続く、国内2拠点目となる。東京リージョンと同じく、“フルサービス”を提供するとしている。

 大阪リージョンは、アジア太平洋地域では7カ所目、グローバルでは20拠点目になる。西日本地域で拡大する国内ユーザーのニーズに応えるほか、事業継続計画(BCP)や災害復旧(DR)のバックアップサイトの構築にも対応する。

 大阪のユーザーが同リージョンを使えば、東京リージョンを利用するのと比べて「ミリ秒単位での遅延の短縮が可能になる」(Google Cloud 日本代表の阿部伸一氏)としている。

 大阪リージョンは東京リージョン同様、3つのゾーンで構成される。「Compute Engine」「App Engine」「Google Kubernetes Engine(GKE)」「Cloud Bigtable」「Cloud Spanner」「BigQuery」などの一連のサービスを提供する。

大阪リージョンで利用可能なGCPの主要サービス
大阪リージョンで利用可能なGCPの主要サービス

 また、ハイブリッドクラウド基盤「Anthos」と組み合わせることで、パブリッククラウドのGKEやオンプレミスの「GKE On-Prem」をはじめ、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなど他社クラウドで動作するワークロードも管理できるようになる。

 大阪リージョンの開設にともない、関西エリアでのトレーニングプログラムも拡充させる。Google Cloudの技術を活用するためのトレーニングや認定資格のためのプログラムを用意するほか、関西地域の6カ所でGCP User Groupの活動を展開中だという。

 記者会見に登壇したGoogle Cloud 最高経営責任者(CEO)のThomas Kurian氏は、「デジタルテクノロジ―があらゆる産業を変えつつある。特に製造、小売、金融、通信などの産業はデジタルテクノロジ―を使って事業の在り方を変えようとしている。Google Cloudは、企業のデジタル変革を実現するための技術基盤を提供する」と述べた。

Google Cloud 最高経営責任者(CEO)のThomas Kurian氏
Google Cloud 最高経営責任者(CEO)のThomas Kurian氏

 その上で、Google Cloudの特徴として、「グローバルインフラストラクチャ」「デジタルトランスフォーメーションプラットフォーム」「業種特化型ソリューション」を挙げた。また、同社のネットワークは世界100カ所以上の接続拠点(POP:Point Of Presence)に張り巡らされ、大規模なプライベートファイバーネットワークで構築されているとアピールした。

 さらに、同社は、自然言語処理や画像認識、音声認識などの非常に高度な人工知能(AI)/機械学習(ML)技術を有しているとし、コンタクトセンターやサプライチェーン管理、プライシングなどの領域で活用が進んでいるとKurian氏は説明した。

 大阪リージョンの運用開始に合わせ、アサヒグループホールディングスと京セラコミュニケーションシステムがGoogle Cloudを活用していることが明らかにされた。両社とも以前からGCPのサービスを活用してきたが、大阪リージョンも組み合わせることで、さらなるシステムの可用性向上やビジネスの継続性実現に取り組んでいくとしている。

 Google Cloudでは、2020年上半期に韓国・ソウル、米国・ソルトレイクシティ、インドネシア・ジャカルタなどの地域に新しいリージョンを順次開設していく予定となっている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

  5. セキュリティ

    こんなにあった!従来型SIEMが抱える課題──次世代SIEMに必須の“8つの要件”とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]