米司法省とユーロポール、「GozNym」のネットワークを解体

Shelby Brown (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2019-05-17 11:40

 オランダのハーグに所在する欧州刑事警察機構(Europol)は現地時間5月16日、警察機関の国際的な連携により、「GozNym」というマルウェアを用いて4万1000の被害者からおよそ1億ドルを強奪しようとしたサイバー犯罪ネットワークを壊滅に追い込んだと発表した。

 Europolによると、GozNymのネットワークは、コンテンツに対する制約がゆるいホスティングサービスや、マネーミュールのネットワーク、暗号化ソフトウェア、スパマー、プログラマー、オーガナイザー、テクニカルサポートといったさまざまな犯罪サービスを提供する、「サービスとしてのサイバー犯罪」というコンセプトを具現化したものだという。このネットワークは、ロシア語が用いられている、犯罪関係の地下フォーラムで自らのスキルを宣伝していた。

 GozNymによって11の企業と金融機関が攻撃を受けた。

 米ペンシルバニア州ピッツバーグの連邦大陪審は、この犯罪ネットワークの構成メンバー10名に対して、被害者のコンピューターをGozNymマルウェアに感染させ、窃取したログイン時の認証情報を用いて被害者の銀行口座から金銭を窃取しようとしたという罪状で起訴した。また、そのうちの5名はロシアに居住しており、逃亡中であるとEuropolの発表に記されている。

 米司法省(DOJ)の米国時間5月16日付けの発表のなかで、米連邦検事のScott W. Brady氏は「国際的な法執行機関は、多国間をまたがる匿名ネットワークを実際に崩壊させ、壊滅に追い込むうえで、各機関の連携協力が唯一の手段だと認識している」と述べ、「GozNymによる犯罪の構成メンバーを、4つの国家機関が協力し、同時に起訴することは、サイバー犯罪の調査方法や訴追方法におけるパラダイムシフトを象徴している」と続けている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  2. 運用管理

    データベース管理の課題を一挙に解決!効率化と柔軟性を両立する新しいアプローチとは

  3. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  4. セキュリティ

    セキュリティに対する意識や対策状況の違いが浮き彫り--日米豪における情報セキュリティの実態を調査

  5. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]