NTT東日本福島支店は2019年4月1日から、職員の業務負担軽減に向けて、コドモンと共同で福島県いわき市にある認定こども園「さとがおかキンダーガーデン」にITサービスを提供している。コドモンは、保育園・幼稚園向けの業務支援システムを提供する企業。
福島県内の待機児童数は、2018年4月時点で371人。2017年の616人から大幅に減少したものの、待機児童率は全体1.15%と依然として全国平均を上回っている。厚生労働省は、ITにより間接業務を減らすことで保育士の勤務環境を改善し、待機児童の解消を目指すとしている。
さとがおかキンダーガーデンでは現在、職員26人で児童119人を預かっている。限られた人数で安全に配慮しながら保育業務を行う中で、保護者との電話連絡、日誌・連絡帳の作成、請求業務といった多岐に渡る事務作業の業務負担軽減が求められていた。これを受け、保育園・幼稚園における業務の効率化・自動化を可能にする子育て施設業務支援システム「CoDMON」の導入に至ったという。
コドモンがCoDMONを、NTT東日本福島支店がインターネット回線、Wi-Fiサービス、セキュリティーサービスなど、同サービスの利用に必要なIT環境の整備・サービスを提供する。
CoDOMONの活用イメージ(出典:エービーシー学苑、NTT東日本、コドモン)
CoDMONの基本機能には、連絡帳、園児台帳、写真販売、欠席・遅刻受付、アンケート、緊急連絡、行事予定管理、資料室、保護者専用アプリ、午睡チェックがある。オプション機能として、登降園・勤怠管理機能、指導案・帳票作成、シフト管理機能、給食サポート機能を用意している。
同サービスは、基本利用料が月額5000円から。オプション機能は登降園・請求管理が月額5000円、帳票管理が5000円、シフト作成が3000円だ。
主な利用シーンは以下の通りである。
1. スマートフォンアプリを活用した保護者との連絡
これまで保護者が電話で行っていた欠席や遅刻、延長などの連絡を専用アプリから行える。職員はその状況をリアルタイムで確認でき、双方の連絡稼働を軽減する。
2. タブレット端末とICカードによる児童の登降園時間の管理
ICカードをタブレットにかざすと、登降園時間を自動で管理できる。従来の手書きによる管理と比べて記入の手間が削減される。
3. 保護者への保育料請求に関する業務
保育料の計算、請求書の発行などが自動でできる。職員の負担であった請求に伴う事務処理が軽減される。
園職員の意見として「保護者からの連絡をアプリ経由にしてからは、忙しい朝の時間帯に電話がほとんど鳴らなくなった。その分、子どもの保育に集中するなど、別の仕事ができるようになった」「保育料計算の自動化は時間短縮に加え、計算間違いの抑止につながっている」などがある。
保護者からも「園からのお知らせがアプリで通知されるため、情報を見逃すことがなく助かっている」「夫もアプリをインストールしたことで、子どもや園の情報を共有できるようになり、以前より育児をするようになった」といった声があるという。
登降園打刻用のタブレット(出典:エービーシー学苑、NTT東日本、コドモン)
アプリで欠席・遅刻の連絡をする様子(出典:エービーシー学苑、NTT東日本、コドモン)