デルとEMC、GPU搭載の機械学習専用サーバーを日本でも展開--“IPU”も活用 - (page 2)

阿久津良和

2019-06-05 07:00

 GraphcoreのIPUの性能についてデル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 シニア システムエンジニア 谷本剛氏は「深層学習のトレーニング時はTesla V100の2~10倍、推論時は100倍と聞いている」と説明する。ただし、同社はIPUがGPUを置き換える存在だとはしておらず、あくまでも機械学習やHPCといった個別のワークロードに応じて用いるようになると述べていた。

デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 シニア システムエンジニア 谷本剛氏
デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 シニア システムエンジニア 谷本剛氏

 冒頭に挙げたDSS 8440のスペックは最小構成だが、一番の特徴は最大10枚のGPUもしくはIPUを搭載可能。提供を開始するDSS 8440では4/8/10枚構成を用意し、2019年後半リリース予定のGraphcore IPUは8枚構成となる。最大10基のNVMe、SAS/SATAドライブを搭載可能、最大8つのPCIe×16スロットを用意する。

 4Uサーバーながらも空冷を採用し、「TDP 205W CPU構成でも摂氏35度の環境で最大10GPUが稼働できる。NVLINKを採用しなかったが、社内でベンチマークを行ったところ、パフォーマンスあたりの消費電力が優れているので、PCIeスロット数を優先した」(谷本氏)

カードやストレージは背面から設置。電源は2400W×4、1+1の冗長性を確保(出典:デル)
カードやストレージは背面から設置。電源は2400W×4、1+1の冗長性を確保(出典:デル)
DSS 8440のハードウェアトポロジー(出典:デル)
DSS 8440のハードウェアトポロジー(出典:デル)

 デルのサーバー製品といえば「PowerEdge」ブランドが有名だが、動作yはPowerEdgeブランドを「汎用用途」、DSSシリーズを「特殊(専用)用途」と位置付ける。

 前述の通り、DSSシリーズは以前から販売していたが、上原氏は「個別に顧客と対話が必要な大規模案件や、PowerEdgeで補えないケースで提供していた。従来は大規模導入を前提としていたが、DSS 8440に関しては1台から受け付ける」と説明。「機械学習専用のモンスターマシンであるDSS 8440をラインアップに加え、PowerEdgeとDSSシリーズの“二刀流サーバー製品戦略”で顧客のきめ細やかなニーズに対応する」(上原氏)と市場に対する姿勢を明確にした。

アクセラレーテッドコンピューティングでの半導体の役割(出典:デル)
アクセラレーテッドコンピューティングでの半導体の役割(出典:デル)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]