デルとEMCジャパンは6月4日、機械学習専用サーバー「Dell EMC DSS 8440」(DSS 8440)を発表した。同日から提供を開始した。
DSS 8440は、GPU「NVIDIA Tesla V100」を最大10基搭載可能な2ソケット4Uラックサーバー。最小構成はXeon Silver 4116プロセッサー×2、32GBメモリー、480GB SATA RI SSD×1、Tesla V100(PCIe、32GB×4)で税別価格は1940万7219円(配送料込み)となる。
デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 本部長 上原宏氏
DSS 8440は先頃開催されたイベント「Dell Technologies World 2019」で披露された。デル インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 本部長 上原宏氏はDSSシリーズについて「米国本社やアジアパシフィックのリソース、メンバーが対応」する形で特定の顧客に個別提供していたが、今回のモデルはすべての顧客を対象に1台から販売する。同社は今後1年の目標台数として100台を示した。
上原氏は「データセンターなどで使用するラック型サーバーで初めて1位を獲得した」とIDC Japanの調査結果を提示しつつ、直近の四半期では32%も上昇し、単価も3.5倍まで成長したことをつまびらかにした。上原氏は「コンピューティング領域では高付加価値型が躍進し、従来の出荷台数よりも顧客に価値を提供した方が経営指標として正しい」と説明。IDC Japanの調べによると出荷金額ベースでDell EMCのx86サーバーは伸長しているという。
その上で同社は「“アクセラレーテッドコンピューティング”に注力し、機械学習やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)領域で顧客へ価値を提供する」(上原氏)と今後の戦略を提示する。
アクセラレーテッドコンピューティングはCPUが担ってきた処理の一部をGPUのほかに、プログラミング可能な集積回路であるFPGA(Field Programmable Gate Array)など隣接するシリコンサブシステムへ委譲することで、アプリケーションやワークロードを高速化する手法。すでに機械学習とGPUの相性が良いことは広く知れ渡っている。同社は深層学習に特化したアクセラレータを開発する英GraphcoreのIPU(intelligent Processing Unit)を搭載した「DSS 8440 w/ Graphcore」を2019年後半にリリースすると予定だと明かした。
2019年後半にリリース予定のDSS 8440 w/ Graphcoreには「Graphcore C2 Accelerator Card」が搭載される。2つのGC2 IPUを搭載し、1コアあたり100GFLOPSの性能を持つ(出典:デル)