アステラス製薬と日本マイクロソフトは6月6日、医師と患者のコミュニケーションを支援するサービスを共同開発すると発表した。
両社によると、日本では骨粗しょう症など一部の病気において、治療や服薬意義への理解不足といった理由で、服薬を遵守している外来患者の割合が低いという。この課題を受けて、アステラス製薬は日本マイクロソフトと連携し、骨粗しょう症など服用の順守に課題がある疾患を対象に、複合現実(MR)を活用した服薬啓発コンテンツをはじめとするコミュニケーション支援サービスを開発する。MRにより、臓器や骨などの画像・映像を現実世界に投影する。
MRを活用したコンテンツをマイクロソフトのパブリッククラウドプラットフォーム 「Microsoft Azure」を通して医療機関に提供することで、医師と患者のコミュニケーションを円滑化し、服薬順守率を向上させることを両社は期待している。
業務の分担に関しては、アステラス製薬は患者に病気やその治療の意義を理解してもらうためのコンテンツの企画立案・開発、医療機関へのサービス提供などを担当。日本マイクロソフトは、海外や他の業種でのMR活用ノウハウの共有、技術支援などを行う。
このコンテンツには、MRを実現するヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens」と、その次世代デバイスになるとされている「Microsoft HoloLens 2」が用いられると想定しているという。
アステラス製薬は、2019年後半から一部の医療機関に向けて、試験的にこのサービスの提供を開始する。その評価を踏まえて、日本マイクロソフトとともにコンテンツを改良し、2020年以降全国展開する予定だ。
イメージ図(出典:マイクロソフト)