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技術投資の増加が期待通りの生産性向上につながらない可能性

Forrester Research (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-07-19 06:30

 これまで、技術に対する投資を正当化するもっとも大きな根拠は生産性の向上だった。しかし、米国全体の生産性の傾向を見ると、技術投資が増えても、以前ほどは生産性が向上しなくなっている。米国企業は、名目上デジタル変革に多額の投資を行ってきた。にも関わらず、米国全体の生産性が十分に向上していないことは、技術投資はマクロレベルでは(そして場合によっては個々の企業においても)生産性を向上させるという主張に疑義を生じさせることになる。このことは、最高情報責任者(CIO)が技術投資の目標のあり方を再検討し、生産性の向上以外の目標を掲げるべきであることを意味している。

productivity

 Forrester Researchは、技術投資が増加しているにも関わらず、米国の生産性の伸びがほとんどあらゆる業界で伸び悩んでいる理由を分析した。このレポートでは、CIOへのアドバイスとして、個別の技術投資の内容によっては生産性向上を目的とすることも可能ではあるものの、今後に向けて有効性の向上を技術投資の目的としてビジネスケースを再構築することを勧めている。

 レポートでは、議論を明確にするために、以下のポイントについて検討している。

  1. 2010年以降、米国の生産性の伸びは約1%で頭打ちになっている。国全体の生産性向上とインフレのない経済成長の間に正の相関があることを考えると、あらゆる企業は生産性の停滞や低下について憂慮すべきだ。歴史的に、技術は生産性の向上に重要な役割を果たしてきたことから、生産性に対する技術投資の影響について十分に検討する必要がある。
  2. この期間の技術投資の伸びは平均5%だった。一般に、生産性の向上は技術投資よりも遅れて現れてくるため、過去10年間に行われた技術投資が従来通りの効果を上げていれば、現在は生産性の向上が見られるはずだ。しかし実際には、米国における過去10年間の技術投資の伸びが年平均5%(四半期ごとの伸びで見ると、2010年~2012年は3~9%、2013年~2016年は4%、2017年~2018年は7~9%)だったのに対して、生産性の伸びは平均1%だった。
  3. 技術投資と生産性向上の間の相関関係は悪化した。米国の生産性の伸びが、もはや技術投資の伸びとは結びつかなくなったことを考えれば、CIOは技術投資にほかの目的を設定する必要がある。Forrester Researchは、事業の有効性の改善に着目することを勧める。これは、事業がよい成果を挙げる可能性を拡大し、悪い結果が出る可能性を緩和することを意味する。
  4. 2012年以降、産業レベルでは技術投資の伸びと生産性の相関関係はマイナスになっている。過去10年間を対象として全産業の生産性の伸びを分析した結果、技術投資の増加は、生産性の伸びの悪化と結びついていることが明らかになった。この調査結果は、技術投資に対して別の目的を設定する必要があることを一層強く示していると同時に、各CIOが、過去10年間の生産性低下に対して責任を問われたり、批判されたりする可能性があることを意味する。
  5. CIOが今後も技術投資の主な目的として生産性の向上を掲げ続けた場合、信頼性を疑われる可能性がある。生産性の伸びの停滞がもたらす影響が明らかになるにつれて、CIOは能力を疑われるようになるだろう。CIOはこのような糾弾に備えて、技術投資を正当化し、守るために、事業の有効性などのほかの根拠を掲げる必要がある。
CIO

 本記事Forrester ResearchのバイスプレジデントでプリンシパルアナリストのAndrew Bartelsが執筆した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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