IDC Japanは7月11日、国内クライアント仮想化市場の動向についてユーザー調査を分析した結果を発表した。これによると、クライアント仮想化を導入する企業(回答者=550人)の72.7%が、デジタルワークスペースを導入していると答え、さらに23.4%がインテリジェントワークスペースを導入済み/導入する計画があると回答している。
ここでいう「デジタルワークスペース」とは、クライアント仮想化をベースに、「仮想化デスクトップ/仮想アプリケーションの多重化/複合化」「クライアント環境とモバイル環境を融合した仮想化基盤」「モバイルアプリ/仮想アプリ/ウェブアプリ/クラウドアプリ」「多要素認証技術/2経路認証技術/セキュリティ技術」「GPU(グラフィクス)仮想化/モバイル仮想化/ネットワーク仮想化/サーバー仮想化/ストレージ仮想化/ユーザープロファイル仮想化」の技術/製品/サービスのいずれかを採用しているものを指す。

※経営課題/ビジネス課題におけるデジタルワークスペース:2019年および2018年(出典:IDC Japan)
同調査の調査対象は、クライアント仮想化を導入した企業(550人)および導入を検討している企業(550人)の経営層、IT管理者、エンドユーザーなど計1100人。
今回の調査対象者全員のうち4割超が、「音声による電話会議システムとの連動によるVDI配信」「5G環境でのDesktop as a Service(DaaS)」「アプリケーション単位の防御/自動化とVDIの併用」「マイクロアプリとVDI連携」など次世代のテクノロジーに対し関心を示している。また2019年に国内でも発表されたWindows 10マルチテナンシー対応のパブリック型DaaS「Windows Virtual Desktop」「クラウドページング技術」、次世代仮想化基盤「Azure Stack HCI」など、クラウド関連技術に対する利用要望も高まっている。
同調査では、デジタルワークスペースがユーザー企業の経営課題/ビジネス課題に対しどのように貢献しているかについて分析している。
それによると、「ガバナンス統治とセキュリティポリシー策定」「動的なIT資産と人材の活用」などの経営課題/ビジネス課題へ貢献できたと回答しているIT管理者は6割を超え、2018年と比較して増加している。また、その効果を「分からない」と回答したIT管理者は2018年と比べて大きく減少し、20%台になっている。