「マーケティングの観点では『一定期間で薬品を処方された患者』といったデータが求められるが、現在はLookerのダッシュボード経由で提供可能になり、分析速度を高められるのがポイント」(小森谷氏)

JDMCソリューションの概要
イラストコミュニケーションサイト「pixiv」を運営するピクシブ(渋谷区、従業員数191人)は2018年12月からLookerを導入し、社内外に向けたデータの“民主化”活動を続けてきた。同サイトではクリエイターによるビジネス活動支援も手掛けているが、同社データ駆動推進室 マネージャー 高橋孝太郎氏は「ビジネスに活用しきれないクリエイターが多い。よりビジネスへコミットしたい方の支援方法が課題」と説明する。
同社はクリエイターが創造した作品の閲覧データをLookerで可視化し、クリエイターが自身の強みを理解した上で自身の行動シナリオに即した支援を目指す。「アクセス解析機能は以前から提供しているが、Lookerを使うことでファンの嗜好性を深く理解し、クリエイター自身の強みに気付いてほしい」(高橋氏)
pixiv自体がマルチプラットフォームなため、PCやスマホ、アプリケーションといった異なるプラットフォームでの共通実装に注力したという同社は、レスポンシブ強化や創作物の公開範囲設定にもLookerのシングルサインオン(SSO)やフィルタリングを使用。pixiv利用者は「BIリテラシーを持たないユーザーが多い」(高橋氏)ため、他のBIツールと比較する際もユーザーインターフェース(UI)部分に注目したという。

pixivにおけるLookerの実装(予定)
データ活用の場面は企業間取引、消費者向けとビジネスモデルを問わず広がっている。モデレーターがデータ活用に価値向上の共通点について尋ねると、それぞれ以下のように回答した。
JMDC小森谷氏「政府の要求は高い。可視化して終わりでは要求を満たせない。SQLを用いたカスタマイズなど多方面でビジネスを推進したい」
ピクシブ高橋氏「(閲覧データは)当事者が容易に確認可能にすべき。われわれはクリエイターを対象にしているので、彼ら彼女らのデータ提供やツール、サポートを通じた支援を続ける」