危険なパスワードの使用について警告されたユーザーの26%がパスワードを変更し、新たに設定されたパスワードの6割は堅牢だった――。Googleは8月15日、2月にリリースしたChromeブラウザの拡張機能「Password Checkup」に関するレポートを公開した。ユーザーに対するセキュリティ通知は、適切な行動を促す上で効果的な役割を果たすようだ。
Password Checkupは、ユーザーが実際にログインフォームで入力したユーザー名とパスワードについて、Googleが第三者の情報源などをもとに把握している、過去に情報が漏えいした40億件以上のユーザー名もしくはパスワードと照合することで、危険な場合はユーザーに警告を表示してくれる。
同社によれば、Password Checkupの利用者は65万を超え、最初の1カ月で2100万件のユーザー名とパスワードを検査した。このうちの1.5%に当たる31万1000件について警告を行ったという。
![(出典:Google)](/storage/2019/08/16/2d0658b3875076013c5e175560eb5d04/riskcredential.jpg)
(出典:Google)
また、ユーザーが利用するサービス分野に応じて、危険な認証情報が使われている割合に大きな差があることも分かった。危険な認証情報の使用率が低いのは、政府系サービスの0.2%や金融系サービスの0.3%。最も高いのはエンターテインメント系サービスの6.3%だった。同社の分析では、ユーザーは著名なサービス以外で脆弱なパスワードを使い回す可能性が2.5倍も高く、認証情報が攻撃者などに窃取される恐れがあると指摘する。
Password Checkupによって警告を受けたユーザーの26%はパスワードを再設定し、新しく設定されたパスワードの60%は、パスワードを推測して不正ログインを試みる攻撃への耐性が高いものだったとしている。
Password Checkupは、スタンフォード大学と共同設計され、ユーザーのユーザー名やパスワードの情報がGoogle側には知られないように配慮されているという。同社はこの日にリリースした改善策で、新たにオプトアウト機能と同社に直接コメントを送信する機能を追加した。