クラウド大手各社がセキュリティに特化した業界団体を設立--IBM、グーグル、MSなど

Catalin Cimpanu (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 長谷睦 (ガリレオ)

2019-08-22 10:23

 クラウドとハードウェアのエコシステムにおける複数の有力企業が、コンピューティングに関する安全な慣行の促進を目指す新しい業界団体の設立で合意した。

Intelのプロセッサ

 創設メンバーには、阿里巴巴(アリババ)、Arm、百度(バイドゥ)、Google Cloud、IBM、Intel、Microsoft、Red Hat、Swisscom、騰訊(テンセント)などが名を連ねている。

 Confidential Computing Consortium(CCC)と名付けられたこの業界団体は、さまざまな戦略やツールの開発により、「コンフィデンシャルコンピューティング」の採用を加速していくという目標を掲げている。

 CCCの言うコンフィデンシャルコンピューティングとは、処理中のコンピューターのメモリ内にあるユーザーデータを隔離して扱う、ハードウェアおよびソフトウェアベースの技術ソリューションのことだ。その目的は、こうしたデータが他のアプリケーションやオペレーティングシステム、クラウドサーバーテナントに流出することを防止する点にある。

 コンフィデンシャルコンピューティングの手法に対応する最も簡単な方法は、Trusted Execution Environments(TEE、信頼できる実行環境)を利用することだ。こうした環境はエンクレーブとも呼ばれている。

 TEEがよく利用されているのがクラウドコンピューティングの分野だ。クラウドサービスプロバイダーは、複数のユーザーによって共有されることが多いクラウドサーバー上でデータを処理する際に、エンクレーブで顧客のデータを保護している。

 このTEEの利用促進が、CCCの主な目的の1つとなる。メンバー企業は、この目標を達成するために、エンクレーブを用いた作業を大幅に簡素化するオープンソースのツールを開発する。また、規制基準の策定や、顧客や開発コミュニティーに向けた教育キャンペーンなどを予定している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]