ヤッホーブルーイングは、使えるねっとを通じて「Acronis Backup Cloud」を導入し、基幹系システムのフルバックアップ体制を構築した。アクロニス・ジャパンが9月26日に発表した。
Acronis Backup Cloudは、物理、仮想、クラウドの各環境を保護するクラウドサービス。ローカルディスク、ネットワークストレージ、クラウドなどにバックアップを保存でき、多様なプラットフォームに復元できる。
ヤッホーブルーイングでは、1月から同サービスの正式な利用を開始しており、最初のフルバックアップは、12時間の想定に対して2時間ほどで完了した。その後、毎日の増分バックアップは数分内で終了しているという。また、毎日のバックアップ完了をメーリングリストに通知するよう設定しているので、情報システムユニットメンバーのバックアップに関する意識が大きく高まったという。
同社の基幹システムは、サーバー1台、クライアントPC25台ほどからなるクライアントサーバシステムで2014年から運用している。2年ほど前に、BCP対策の観点からデータセンターにサーバーを移設し、ネットワーク越しにNASへバックアップを取るようにしているが、そのころからバックアップの失敗が頻発するようになった。
そこで同社では、分かりやすく、簡易な形でシステムが復元できるようにするとともに、BCP対策という意味でもクラウドにバックアップを取ることを検討開始した。バックアップソリューションの導入に当たり、ヤッホーブルーイングが重視したのは復元できるかどうかを定期的に試すことが可能なソリューションであること、バックアップ容量を柔軟かつ容易に変更・拡大できること、コストとバックアップ機能とのバランスが取れるソリューションであることが挙げられた。
Acronis Backup Cloudについては、バックアップ製品に関する知識がなくても、マニュアルさえ用意しておけば、容易に復元できる操作性が評価された。加えて、ランサムウェアを検知・遮断してファイルを即時復旧、さらには必要であれば攻撃を受ける前の時点のイメージバックアップを復元できる機能についても採用の決め手となった。
ヤッホーブルーイングでは、事業の繁忙期でシステム改修などを行うことができない春から秋にかけての期間にシステムの復元を試して、バックアップが正常に取れているかどうかを確認する予定だ。また、Acronis Backup CloudのG Suiteバックアップ機能の利用も検討していく。