ServiceNow Japanは10月16日、都内でプライベートイベント「Now at Work Tokyo」を開催した。メインテーマとして掲げたのは「Transform the world of work(仕事の世界を変革する)」。午前の基調講演では、社長の村瀬将思氏のほか、ユーザー企業としてアフラック生命保険の上席常務執行役員を務める二見通氏、米ServiceNow 最高マーケティング責任者(CMO)のDan Rogers氏らが登壇した。
まず村瀬氏は、同社のソリューションを活用することで、企業内で働く人が効率良くやりがいのある仕事ができるようにすることにより、「日本を元気にしたい」と語った。そして、来場者に「現在自社が取り組んでいる働き方改革が生産性向上に寄与しているか」と問いかけた。手を挙げたのは10人名ほどだった。さらに村瀬氏は、「日本のGDP(国内総生産)は約20年間増えていない」「主要先進国の中でも、GDPを人口で割った1人当たりの生産性で日本は最下位。農業主体とのイメージがあるニュージーランドよりも低い」といった事実を指摘し、今後日本の労働人口の減少が見込まれる中、生産性の向上が不可欠だとした。
ServiceNow Japan 社長の村瀬将思氏
現状では「休みを増やす」といった側面に注目が集まりがちな日本の働き方改革。村瀬氏はそうした要素はもちろんだが、生産性を向上させるためにも働き方改革が必要だとし、具体的には、本来の業務とは別の煩雑の事務手続きなどを効率化/省力化することで本来の業務に集中できるようにする必要があると語った。そして、こうした取り組みを実現するには、事務処理に対して“卓越したエクスペリエンス(体験)”を提供する必要があり、そのためには企業内システムにおいても“デジタルトランスフォーメーション”が必要なのだと続けた。
加えて同氏は、コンシューマー市場でAmazon.comが成功している理由を、「下で動いているさまざまな複雑なITを隠すシンプルなエクスペリエンスを提供していることだ」と指摘、このAmazon.comが果たしている役割を、企業内システムではServiceNowが果たすとした。
続いて村瀬氏が聞き役となり、アフラック生命の二見氏がServiceNowの導入経緯や成果について紹介した。同社は約2年半前にServiceNowの導入を開始し、「今まさにデジタル変革の道のりを歩んでいる最中」(二見氏)という。二見氏はServiceNow導入のきっかけとして、「従来活用していたグループウェアは使いやすくいいソリューションだったが、テクノロジーの観点で見ると、最近は進化が止まってきた感があることから、新しいシステムへの移行を考えた」とした。
村瀬氏と対談するアフラック生命保険 上席常務執行役員の二見通氏(左)
グループウェアからの移行は段階的に進行し、予定通り2019年末には完全に移行が終了する予定だという。移行に当たっての重要なポイントとして同氏は、「(ServiceNowはプラットフォームなので)全社横断的に“使い回す”ことが重要。部分的に導入した場合は逆にコストが上昇してしまうこともある」とした。
米ServiceNow CMOのDan Rogers氏
米ServiceNowのRogers氏は、9月4日に提供を開始した最新バージョンの「New York」で導入した新機能について、デモを交えて紹介した。ちなみに、同社のバージョン名はアルファベット順に世界の主要都市名で表現される。現在のバージョンは“N”で、以後は2020年第1四半期にリリース予定の「Orlando」、同第3四半期にリリース予定の「Paris」と続いていく。New Yorkの特徴は、「消費者生活と同等の素晴らしいワークスタイルを実現」することで、同氏は「IT Workflow」「Employee Workflow」「Customer Workflow」の主要な3つのシナリオに沿って、New Yorkの新機能を活用して実現した新しいワークフローがいかに効率的かを紹介した。