ServiceNow Japanは7月25日、同社のクラウドサービス基盤「NowPlatform」を利用して事業展開する日本市場向けのパートナープログラム「ISVプログラム」および「サービス・プロバイダープログラム」の提供を開始した。併せてNTTコミュニケーションズと進めてきた東京と大阪のデータセンターが稼働したことも発表した。
ServiceNowが発表した日本市場向けの新たな施策
ISVプログラムでは、ServiceNowのSaaSアプリケーションストアで自社のアプリケーションを販売できる「Store」と、NowPlatformのインスタンスを占有的に利用して独自ブランドなどの形でアプリケーションを提供できる「OEM」の2つのメニューを用意する。Storeパートナーには、ウイングアーク1st(帳票のSVF Cloud for ServiceNow)、ロココ(人事申請や研修管理、勤怠管理など)、システムサポート(ServiceNow利用に関するログ管理)の3社が参画、10月のServiceNow Japanのユーザーイベントでそれぞれ新サービスを発表する予定だという。
「ISVプログラム-Store」には、ウイングアーク1st、ロココ、システムサポートが参画する
サービス・プロバイダープログラムでは、このプログラムのパートナーが専有するServiceNowのシングルインスタンスをドメイン分割してマルチテナント化し、さらに再販ができるようにする。ServiceNow Japan社長の村瀬将思氏は、「このプログラムは日本市場に適したものになると考えている」と話し、パートナーの再販を通じて中堅・中小企業層へのユーザー拡大を見込む。
米ServiceNow 技術およびサービスプロバイダーとの協業を担当するグローバルバイスプレジデントのAvanish Sahai氏によれば、サービス・プロバイダープログラムの事例では、DelloiteAssistが病院看護サービスの基盤に利用している。Amazon Alexaを使ってナースコールを音声認識し、緊急度に応じた対応スキルを持つ看護師に対応を要請する機能を提供している。また、設備管理アプリケーションを手掛けるNuvoloは、北米地域のコンビニエンスストア企業にこれを展開し、ユーザーは増員することなく店舗数を1000から2000に拡大させているところだという。
村瀬氏は、今回の新プログラムを3年前から企画してきたと話した。当初は日本市場の販売実績が少なく米国本社には受け入れられなかったが、近年に大企業顧客を獲得したことで、ローンチにつなげられたと強調した。
プログラムを発表したServiceNowのAvanish Sahai氏、システムサポート専務取締役の能登満氏、ロココ常務取締役の長谷川正人氏、ウイングアーク1st代表取締役社長の田中潤氏、ServiceNow Japanの村瀬将思氏(左から)