IBMが、オブジェクト検出モデルを訓練する際に必要となる、動画内のオブジェクトのラベル付け作業を容易にする無料の自動ラベリングツールを公開している。この新機能は、人工知能(AI)を活用してラベル付け処理を支援する。
IBMはこの自動ラベリングツールによって、開発者が時間を短縮したり、労力を削減したりできるよう支援しようとしている。IBMによると、物体認識モデルが特定のオブジェクトを検出するようになるには、手作業でラベル付けされたイメージのサンプルが200〜500必要になるという。
自動ラベリングツールによって、この種のモデルを構築している開発者は、動画中のオブジェクトにラベル付けをする作業ではなく、より関心の高い、価値ある作業に時間を割けるようになる。ラベル付けは必須だが、退屈で骨の折れる作業だ。
このツールは、オープンソースのイメージアノテーションツール「Cloud Annotations」の一部となっている。
IBMのデベロッパーアドボケートNicholas Bourdakos氏は、「自動ラベリングによってプロセスのスピードアップが図られ、開発者は他の革新的なプロジェクトに取り組むための貴重な時間を取り戻せる」と述べた。
他の大手各社もラベル付けの課題に対応しようとしている。Microsoftは「Visual Object Tagging Tool」という、動画内のオブジェクトをラベル付けするオープンソースツールをリリースしている。Amazon Web Services(AWS)も12月、「Amazon Rekognition Custom Labels」を発表した。
Bourdakos氏によると、IBMの自動ラベリングツールは「初期ベータ」の段階だが、自動ラベリングを用いたプロジェクトのモデル化に利用することができるという。
このツールは現在GitHubで公開されており、IBMのCloud Annotationsツールに動画をアップロードすることで利用可能となっている。
Bourdakos氏は、2人の男性がサムアップとサムダウンを見せているデモ動画を投稿し、自動ラベリング機能がどのように動作するのかを示している。
Cloud Annotations now has auto labeling 🎉 It's an early beta, but you can now upload a model to your project and let it do the labeling for you! pic.twitter.com/cEXJQVW2xl
— Nick Bourdakos (@bourdakos1) December 3, 2019
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。