今のWi-Fiは2.4GHz帯と5GHz帯の信号を利用している。これについて米連邦通信委員会(FCC)は先頃、帯域幅がはるかに広い6GHz帯を免許不要のWi-Fi利用に割り当てることを提案した。この提案が採択されれば、5GHz帯で利用できる500MHzのチャネル帯域幅に加え、1200MHz以上の新しい帯域幅が次世代のWi-Fi 6Eに対応したデバイスに開放されることになる。160MHz幅のチャネルが新たに7つ利用できる上、古いWi-Fi規格を利用するデバイスからの干渉をまったく受けない6GHz帯は、最新のWi-Fiデバイスにとって、たくさんの車線を備えた高速道路のようなものだ。最新のWi-Fiデバイスはすべて、現時点で最も速度と効率が高い最新のWi-Fi規格「Wi-Fi 6」を利用できる。

提供:Chris Monroe/CNET
そして、この6GHz帯の利用に関するFCCの投票が行われるのを前に、6GHz帯と5.9GHz帯の開放によって5年間で1834億4000万ドル(約20兆円)以上の経済効果が米国にもたらされる可能性があるとの調査結果を業界団体が発表した。
米国時間4月13日に発表されたこのレポートは、Google、Microsoft、Comcast、Charter Communications、Broadcom、Arrisなどが参加する業界団体WifiForwardの資金提供によって実施された調査の結果をまとめたものだ。このレポートをまとめたのは、コロンビアビジネススクール通信情報研究所のビジネス戦略研究担当ディレクターで、Telecom Advisory Servicesのプレジデントも務めるRaul Katz博士だ。今回のFCCの動きによってもたらされる可能性がある影響について、この調査レポートは主に次のような点を挙げている。

提供:WifiForward
- ブロードバンド速度の向上、モノのインターネット(IoT)の普及拡大、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の市場拡大などにより、2025年までに国内総生産(GDP)が1060億ドル(約11兆円)増える
- 企業の無線トラフィック効率の拡大やWi-Fi機器とAR/VR機器の販売などにより、690億ドル(約7兆4000億円)の生産者余剰が発生する
- ブロードバンド速度の向上などにより、80億ドル(約8600億円)の消費者余剰が発生する

6GHz帯と5.9GHz帯の開放による経済効果は、今後5年間で増加していくと予想されている
提供:Telecom Advisory Services analysis
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。