AWSジャパン、ヘルスケア領域の取り組みを紹介--オンライン診療の需要増にも対応

大場みのり (編集部)

2020-05-25 10:27

 アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS ジャパン)は5月21日、オンライン診療をはじめとするヘルステック領域の取り組みについて説明会を開催した。

MICIN 代表取締役 CEOの原聖吾氏(左)/AWS ジャパン インダストリー事業開発部 シニア事業開発マネージャー(ヘルスケア・ライフサイエンス)の佐近康隆氏(右)
MICIN 代表取締役 CEOの原聖吾氏(左)/AWS ジャパン インダストリー事業開発部 シニア事業開発マネージャー(ヘルスケア・ライフサイエンス)の佐近康隆氏(右)

 AWSは現在、200以上の国と地域で毎月数百万の顧客が利用し、製薬会社や病院、研究機関などのインフラも全面的に支援しているという。

(出典:AWS ジャパン)
(出典:AWS ジャパン)
(出典:AWS ジャパン)
(出典:AWS ジャパン)

 AWS ジャパン インダストリー事業開発部 シニア事業開発マネージャー(ヘルスケア・ライフサイエンス)の佐近康隆氏は、AWS活用のメリットとして「低コスト」「新しい取り組みの加速」「運用負荷の軽減」「最先端で幅広いAI(人工知能)・ML(機械学習)サービス」「高いセキュリティの確保」を挙げた。

 ヘルスケア分野でも、システム構築に伴うハードウェア調達などが不要な点や、ウェブコンソールの操作だけで行えるリソースの拡張・縮小、従量課金といったクラウドサービスならではの俊敏さ・手軽さがメリットなるとしている。また、同社が運用するマネージドサービスにより、ユーザーは優先度の高い業務に集中できるという。

 説明会には、MICIN(マイシン)の代表取締役 CEO(最高経営責任者)の原聖吾氏も登壇した。同社は、ヘルスケア関連のアプリケーション事業などを行っており、自社のオンライン診療サービス「curon」において、2016年4月のサービス開始時からAWSを利用している。curonでは、予約から受診、処⽅せんの受け取りまでをオンライン行うことができる。同サービスは現在、全国で3000以上の医療機関に導⼊されているという。

(出典:MICIN)
(出典:MICIN)

 AWSのメリットについて、原氏は「マネージドサービスの種類が豊富で、スタートアップの限られたエンジニアリソースでも必要な機能を容易に実現できる」と挙げた。また最近は、AWSのコンテナーサービス(ECS)やリレーションデータベース(RDS)、Lambdaサービス、S3ストレージなどにより、新型コロナウイルス関連の新機能を続々とリリースできているという。加えて、感染拡大に伴いユーザー数が急激に増加する中で、アーキテクチャーを変更することなく規模の拡大が可能だとしている。

 オンライン診療は、2015年に全国的な実施が許可されたものの、診療可能な疾患が限られていることや、初診から一定期間は対面で診療する必要があることから、なかなか普及に至らなかった。だが、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、通院している人々や医療関係者の感染リスクが考慮され、これらの制約が緩和。その結果、1月と比べて新規患者の登録数が約10倍になったほか、医療機関での利用回数は約4倍、問い合わせは約10倍になった。

 原氏は「新型コロナウイルス感染症はどこかのタイミングで一定の収束を見せるかもしれないが、今後も新たな感染症の流行といったリスクに備え、強固なインフラを提供しながら、オンライン診療が機能する世界を作っていきたい」と語った。

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