米ZDNet編集長Larryの独り言

アップル「WWDC 2020」、10の要点を振り返る

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-06-23 15:02

 Appleは米国時間6月23日、年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」をオンライン限定で開催し、Macの自社開発プロセッサー「Apple Silicon」への移行や、「iOS」「iPadOS」「watchOS」のアップデートなどについて発表した。

 以下、重要性の高い順に振り返る。

1. Apple Silicon搭載Macを開発者に提供

Developer Transition Kit

 Apple Siliconに対応した初のMacを開発者に提供する。「Developer Transition Kit」(DTK)として、「A12Z」プロセッサーとmacOSの新バージョン「Big Sur」を搭載した「Mac mini」を用意する。開発者は、Macの新しい世界のためにアプリケーションを開発するべく、こぞってDTKを入手するだろう。同社は以下のように述べており、移行プランは堅実なもののようだ。

 「『Apple Developer Program』のメンバーは、『Universal App Quick Start Program』に申し込み、本日よりAppleのシリコン向けにアプリを移行する作業を開始できる。プログラムは、ドキュメント、フォーラムサポート、『Xcode 12』とmacOS Big Surのベータ版を提供するほか、開発者が『Universal 2』アプリを開発してテストできるように、DTKを限定的に利用可能にする。DTKは、Mac miniの筐体にAppleのA12Z Bionicプロセッサーを搭載したもので、16GBのメモリー、512GBのSSD、各種Mac I/Oポートを備え、プログラム終了後にAppleに返却しなければならない。プログラムの総費用は500ドルで、開発者はdeveloper.apple.comからプログラムに申し込める」(同社)
WWDC

2. プロセッサーの移行には2年間かける

 Appleは、MacのIntelプロセッサーからApple Siliconへの移行に2年かける予定だ。今後もIntelベースのMacをサポートするという。購入する人は、どのプロセッサーを選ぶかを検討しなければならなくなる(Appleのチップが正解かもしれないが、ユーザーは実環境でアプリの動作などがどうなるか、しばらく様子を見る必要があるだろう)。

3. 健康管理を強化する「watchOS 7」

 watchOS 7は、Appleがヘルスケア分野で地歩を拡大することにつながるだろう。さらにユーザーの手洗いまでも検知する。この新バージョンは、自動手洗い検出機能を備えているのだ。新型コロナウイルスの状況を考えれば悪くなさそうだ。

4. iOSに似てきたmacOS

 macOSは、ますますiPad OSとiOSに似てきた。オペレーティングシステムの融合が始まっており、Apple Siliconへの移行とともに、その動きは一段と加速するだろう。

macOS

5. 「iOS 14」

 iOS 14は、それほど人を驚かせるような発表ではなかったかもしれない。「Appライブラリ」によるホーム画面の整理や、刷新されたウィジェットは便利だが、多くの点でオペレーティングシステムの段階的なアップデートとなっているようだ。

6. 開発者のサポート

 開発者にコードサポートとプライベートフォーラムを提供し、「Arm」ベースのApple Siliconへの移行を支援する。同社は数年間、アプリケーションが2つのプロセッサーに対応しなければいけないことを認識している。

WWDC

7. 「Siri」のアップデート

 SiriはiPadとiPhoneでその存在感が縮小しているかもしれないが、よりスマートになっていると期待したい。

8. 車のデジタルキー

「CarKey」機能で、iPhoneを車のデジタルキーとして利用できるようにする。

9. プライバシー機能

 Appleは、プライバシー機能が同社の競争上の強みになると考えている。広告主によるユーザーのトラッキングをより困難にする可能性のあるプライバシー機能やセキュリティー機能を発表した。

10. 拡張現実は?

 拡張現実(AR)については目立った発表がなかった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

 WWDC 2020。Apple Silicon発表のハイライト。

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