デジサート・ジャパンは7月29日、TLS/SSL向け電子証明書の統合管理基盤製品「DigiCert CertCentral Enterprise」および中小企業向けの「DigiCert CertCentral」、販売パートナー向けの「DigiCert CertCentral Partner」を発表した。従来の管理基盤を利用する一部の大企業には既にアップグレードを開始し、中小企業ユーザーは8月中をめどにアップグレードを開始するという。
DigiCert CertCentralは、各種TLS/SSL証明書の発行から管理までの機能をオールインワンで提供し、さまざまなセキュリティ要求や業界ルールの変更あるいはセキュリティ脅威に伴う証明書の交換などの対応を迅速かつ適切に行えるようになるとしている。また、将来的な耐量子コンピューター暗号などの新規サービスや機能も利用しやすくなるとする。電子証明書管理の煩雑さを解消し、証明書失効などによるダウンタイムや損失のリスクも低減させる。
新製品は、11言語と9つの国際通貨に対応し、グローバルで利用可能。また、SlackやServiceNowなどのモバイル業務アプリケーション、Microsoft Azureや Kubernetes、Chef、SaltStackなどのクラウドサービスおよびウェブ構成、オーケストレーションツールと連携するためのAPI連携機能も搭載する。
同社では日本での提供について、従来クーポンとして提供されてきた金券をバウチャーとして提供することで日本の流通網に合わせた代理販売を可能にするほか、クレジットカードやバウチャーによる支払いに加え、国内銀行への振り込み処理も対応する。また、日本の営業時間で日本のスタッフが日本語でサポートを提供し、認証業務も行う。
DigiCert CertCentralのイメージ
各製品の機能概要は以下の通りとなる。
DigiCert CertCentral
- TLS/SSL証明書の申請、発行、再発行、SANs・ワイルドカード追加、失効
- ネットワーク内に導入済みの全ての証明書ブランドのTLS/SSL証明書の検知、事前認証による即時発行および一元管理
- 自社ドメイン名の不正利用を防ぎブランドを保護するCT Logモニタリング
- 耐量子コンピューター暗号に対応するツールと手順書の提供
- RESTおよびGraphQL API、ACMEなどの業界標準プロトコルを介して証明書の管理ワークフローによるOV(Organization Validation)およびEV(Extended Validation)証明書の発行、更新の自動化
DigiCert CertCentral Enterprise
- 自動化された継続的なディスカバリーと監視機能による企業全体を通じたパブリックおよびプライベートな証明書の発見と管理
- 監査機能およびカスタムレポーティング機能を活用したインサイトの取得
- カスタム設定できる証明書の有効期間
- 自動化された証明書管理フローにおける利用状況の把握
- 柔軟な支払方法とビジネスユニットごとの証明書管理
- SAMLによるシングルサインオン、多要素認証、サーバ証明書要求のIPアドレス制限によるセキュリティの向上
- 迅速に認証を要求するためのゲストURLなど、役割ベースのアクセスとエンタープライズワークフローのカスタマイズ
DigiCert CertCentral Partner
- API経由で1カ所から全ての証明書タイプにアクセスし、エンドカスタマーの要件に効果的に対応し、成長を促す新しいソリューションを容易に構築
- 申請内容の変更を含む柔軟なオーダープロセスの利点を生かし、効率性の向上、俊敏性の強化、エンドカスタマーの体験向上を実現
- 複数の代理販売モデルに合わせた卸価格での証明書取扱い
- バウチャーを使った購買プロセスとITサポートプロセスの別管理