Twilioは米国時間10月12日、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)のSegmentをおよそ32億ドル(約3400億円)の株式交換で買収する契約を締結したと発表した。SegmentはCDP市場で、企業が顧客データを統合し、エクスペリエンスを向上できるよう支援するソフトウェアを手がけている。
Twilioはこの買収により、自社のエンゲージメントクラウドのインテリジェンスを強化する計画だ。通常はマーケティングのほか、アナリティクスや製品、顧客サービスなどで用いられるデータ駆動型アプローチを適用することで、あらゆるタッチポイントでエンドツーエンドの顧客エクスペリエンスの向上を図れるようになるとTwilioは述べた。
Segmentのプラットフォームを、Twilioのクラウドコミュニケーションサービスにデータを取り込む手段として利用し、企業が顧客をより良く理解して、効率的にエンゲージメントを高められるようにする狙いがあるようだ。
Twilioの最高経営責任者(CEO)Jeff Lawson氏は、「データのサイロは優れた顧客体験を損なう」とし、「Segment(のテクノロジー)によって、開発者や企業はこれらのサイロを壊し、顧客に関する情報の全体像を把握できるようになる。Twilioの『Customer Engagement Platform』と組み合わせ、われわれはよりパーソナライズされた、タイムリーな、インパクトのあるエンゲージメントを顧客サービス、マーケティング、アナリティクス、プロダクトとセールス全体で生み出すことができる」と述べた。
さらにこの買収は大局的な観点から見た場合、コンタクトセンター市場での展開を推し進め、レガシーなベンダーを追い落とすというTwilioの戦略とも合致している。Twilioは同社のコールセンタープラットフォーム「Twilio Flex」によって、コールセンターにおけるAPIを充実させ、企業におけるカスタマイズ性のさらなる向上を支援しようとしている。
買収完了後、SegmentはTwilio内の事業部門となり、Segmentの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のPeter Reinhardt氏はLawson氏の直属となる。買収はTwilioの2020会計年度第4四半期に完了する見通しだ。Twilioは今回の買収によって成長を加速させることで、有効市場(TAM)の総額が790億ドル(約8兆3200億円)にまで増加すると見込んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。