「Internet Explorer」(IE)に大きな変更が加えられる。2020年11月以降、ユーザーがIEを使って特定のウェブサイトを開こうとすると、URLの読み込みが拒否され、自動的に「Microsoft Edge」で開かれるようになる。
このIEからEdgeへの強制転送は、MicrosoftのIE廃止に向けた計画の一環だ。Microsoftは、2020年の夏に「Edge 84」がリリースされて以降、テストのためにこの機能を一部のWindowsユーザーに徐々にロールアウトしていた。
しかし、11月に予定されている「Edge 87」のリリース以降は、このIEからEdgeへの強制転送を全てのIEユーザーに適用する予定だ。
強制転送が有効になるのは1156サイト
この新機能の核となるのは、2020年の夏にEdgeのインストールファイルに追加された新しいDLLファイルだ。このDLLファイル(ie_to_edge_bho.dll)は、IEのプラグインであるBrowser Helper Object(BHO)だ。
追加されたBHOファイルはEdgeフォルダーの中に置かれているが、IEのレジストリーキー経由でIEの起動時にロードされる。
このBHOは、ユーザーがアクセスしようとしているウェブサイトを監視するもので、リンクをクリックしたか、アドレスバーにURLを直接したかに関わらず機能する。
ie_to_edge_bho.dllファイルは、ユーザーが使用したURLがあらかじめ用意されているIE非互換サイトのリストに一致するかどうかをチェックする。
提供:ZDNet
このリストはMicrosoftのエンジニアによって管理されており、現在含まれているのは1156項目だ。リストの中には、YouTube、Instagram、Twitter、Yahoo Mail、StackOverflow、StackExchange、VK、ESPN、Chase、Hotstar、Moneygram、eharmony、GoDaddyなどの有名なサイトも含まれている。
ほとんどのIEユーザーは、11月以降これらのサイトをIEで読み込むことはできず、新しいEdgeのウィンドウに転送される(参考動画)。
IEからEdgeへのリダイレクト画面
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IE側では、なぜそのサイトがIEで開けなくなったのかを説明するページが表示される。
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これは、今までにないかなり強い措置であるため、Microsoftはエンタープライズ顧客向けに強制転送機能を無効にするか、少なくとも動作の一部をコントロールできるグループポリシーを提供する。
もちろん、この新しい動作はEdgeとIEが両方インストールされているシステムでしか起こらない。IEしかインストールされていない古いワークステーションを管理しているシステム管理者は、Edgeへの強制転送の心配をする必要はない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。