ソフトウェアのリリース頻度は上昇が続いており、日々のリリースも当たり前のようになってきている。ただこうした状況にあっても、IT部門の多くはプロセスの全面的な自動化には踏み切っていない。

これは、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)が1324人のITマネージャーやITプロフェッショナルを対象に最近実施した調査のレポートで語られている内容だ。レポートによると、リリースサイクルは今後も速まっていくという。しかし驚くべきことに、こうしたリリースサイクルを管理するための自動化に向けた勢いは著しく減少している。レポートによると、ソフトウェアを毎日、あるいは1日に複数回リリースしている回答者の割合は、2019年の27%から29%に増えている。また、週次のリリースサイクルは依然として最も一般的(26%)だが、回答者の半数以上(55%)は週次、あるいはそれよりも頻繁にリリースしていると答えている。
また、リリースサイクルの全面的な自動化を実現しているとした回答者は、2019年の40%から33%に減少している。レポートの著者らは「この結果は、設定が複雑である、あるいはアプリケーション配備のある種の側面における統制を維持しておきたいという理由から、全面的な自動化に踏み切る用意ができていない企業が数多くあるということを意味している可能性がある」と推測している。
ITプロフェッショナルらは手作業でのアプローチに戻ろうとしているわけではない。そういったアプローチは、リリースを毎日実施しているとした3分の1近くの回答者にとっては特に、あまりにもストレスが高いものとなるだろう。実際、手作業でリリースを実施しているとした回答者は2018年には27%だったが、その数値は今や15%に減少している。むしろ現在好まれているのは、ハイブリッド、すなわち半自動アプローチであり、2年前の25%から46%に増加している。
またこの調査では、継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)も一般的になっていることが示されている。回答者の82%は本番環境でCI/CDパイプラインを使用していると答えている。最もよく使用されているCI/CDツールは「Jenkins」(53%)、「GitLab」(36%)、「GitHub Actions」(20%)となっている。