今日のソフトウェア開発部門はあらん限りの力を振り絞り、かつてないほどのペースでリリースを重ねてきている。そして今ではその多くが週1回、あるいはそれ以上というペースで実施している。そうした作業を手動で実施すれば、誰もが燃え尽き症候群になってしまうかもしれない。しかし、開発や調達、配備のサイクルは完全な自動化には至っていない。
1337人のマネージャーと作業担当者を対象にしたCloud Native Computing Foundation(CNCF)の最新調査でこういった状況が明らかになった。また同調査では、コンテナーやサーバーレス、サービスメッシュといった補助的なアプローチによって、クラウドネイティブ技術の採用が増加しているという状況も明らかになった。
リリースサイクルが「デイリー(1日)」だと答えた回答者は2018年の15%から27%に増加し、リリースサイクルが「ウィークリー(1週間)」だと答えた回答者は20%から28%に増加した。また、手動と自動化ツールを組み合わせたハイブリッドモデルを採用している回答者の割合は、2018年には25%だったが、2019年には41%に上昇ししている。これは利用できるCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールが増えているからかもしれない。調査によれば、CI/CDツールの中で最も人気があるのは「Jenkins」(58%)で、それに「GitLab」(34%)、「CircleCI」(13%)が続いている。調査レポートの著者らは、リリースサイクルが短くなっている理由として、DevOps、CI/CDツール、アジャイル開発が普及したことを挙げた。
ただし、驚くべきことに、リリースが完全に自動化されている例は増えていない。調査によれば、リリースを自動化している開発者の比率は、2018年、2019年とも40%前後とほとんど変わっていない。「特に変化が見られるのは、ハイブリッドアプローチによるリリースと、全てを手動で行うリリースの部分だ。手動処理と自動化ツールを組み合わせて利用するハイブリッドアプローチは、前年は25%だったのに対して、2019年には41%に増加した」とCNCFは述べている。「一方、全て手動でのリリースは、27%から14%に減少した」