ServiceNow Japanは2月25日、2021年のビジネス戦略について説明会を開催した。登壇した執行役員社長の村瀬将思氏は、パートナー企業との関係強化やアプリ開発の普及、教育機会の提供などに取り組むと表明した。
ServiceNow Japan 執行役員社長 村瀬将思氏(出典:ServiceNow Japan)
同社は、2013〜2016年にSaaS(Software as a Service)型ITサービスマネジメント、2017~2020年に企業の横断的なDX(デジタル変革)を支援するデジタル基盤を提供してきた。そして2021年以降は、官民問わず社会全体をより良くするためのワークフローを展開する。村瀬氏はこのビジョンを「Workflows for a Better World」と呼んだ。
ServiceNow Japanは2021年の国内における注力領域として、「パートナーエコシステムのさらなる拡大と強化」「インダストリービジネスの強化」「市民開発の普及」「デジタルリテラシー向上のための協業と投資」の4つを挙げる。
パートナーエコシステムのさらなる拡大と強化では、業界別のビジネスを進めるに当たり、その業界に強い企業と連携する。また、パートナー企業がサービスを効率良く展開できるよう、グローバルでサービスフレームワーク「ServiceNow Assure」の提供を開始する。
このフレームワークでは、同社の担当者がコンサルタントとしてパートナー企業のサービス提供を支援し、顧客の価値に沿った計画かどうかの確認や、サービスの設計に関する助言などを行う。
加えてISV(独立系ソフトウェアベンダー)のパートナーとは、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)との連携など、日本の商習慣や固有の要件に合わせた業種特化型のアプリを提供する。
インダストリービジネスの強化では、特に通信/サービスプロバイダー、金融サービス、製造といった業界に注力する。これを実現するため、同社では引き続き各業界に詳しい人々を積極的に採用していく。
市民開発の普及に関しては、ビジネスの急激な変化に伴い、ITの技術者でなくても業務フローを改善するシステムを作れるようになるべきだという。また、LOB(Line of Business)部門の従業員でもアプリを簡単に作れる機能が必要だとしている。
デジタルリテラシー向上のための協業と投資では、次世代の育成、産学連携、Re-Skill(再教育)によって雇用と再活躍の場を創出する。「日本ならではの取り組みなのは、Re-Skill。今の日本社会の中心を担う40~50代の中には、20~30年前と同じやり方で業務を行っている人もいるかもしれない。そうした人々が日本のDXを止める要因になっているのではないだろうか。彼らを避けるのではなくRe-Skillすることで、われわれのエコシステムに入ってきてほしい」と村瀬氏は語った。
ServiceNowはグローバルで、トレーニング/認定資格の統合ポータル「Now Learning」を提供している。同ポータルでは、275以上の無償オンデマンドコースを用意。世界で延べ100万人がコースを受講しており、現時点で日本語には未対応だが、国内でも2万人が利用している。「2021年は日本語化を進めることで、注力領域の一つである次世代の育成やRe-Skillを実現していきたい」(村瀬氏)