企業はセキュリティリスクをしっかりとマネジメントすべし
新サービスの最大の特長は、攻撃可能なルートを網羅的に検出し、分析できることだ。
従来の脆弱性診断ツールでは、各機器の脆弱性は網羅的に検出できても、実際に攻撃可能なルートの検出までは不可能だった。また、システムが複雑化するほど攻撃可能なルートは増加するため、人手でも網羅的に把握することは困難だ。
これに対し、新サービスではサイバー攻撃リスク自動診断技術により、実際に攻撃可能なルートを網羅的に検出、分析することができる。
また、検出した全ての攻撃可能なルートに対して対策効果を計算することにより、セキュリティ対策を実施した場合のシステム全体のリスク値の変化を可視化して対策の効果を把握することも可能だ。
これにより、セキュリティ対策を優先すべき箇所の把握や対策の妥当性を判断することが可能なため、効率的なセキュリティ対策を実施できるとしている。
なお、新サービス適用の流れは図2のようになっている。
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今回このサービスを取り上げたのは、セキュリティリスクをマネジメントするという観点から、とても有用で効果的なサービスだと思ったからだ。しかも、このサービスはNECの独自技術が中核となっており、非常に興味深く感じた。
企業の情報セキュリティ対策については、筆者も長年にわたってさまざまな角度から取材してきたが、関連する技術の進歩や迅速な適用もさることながら、取材時に最も注目してきたのは、企業がセキュリティ対策をリスクマネジメントの重要な取り組みとしてしっかりと捉えて動いているかどうかだ。
つまりは、さまざまなセキュリティリスクに対してPDCA(Plan-Do-Check-Action)のマネジメントサイクルをきちんと回し続けて、訓練などの具体的なアクションも含めて取り組んでいるどうかである。
こうした取り組みに必要な要素の大半を、今回の新サービスで賄うことができるだろう。ぜひ、ユースケースを取材したいと感じた新サービスである。