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DXマネジメントオフィス入門

DXの推進度を知る「デジタル成熟度診断」の方法論

三谷原啓 (KPMGコンサルティング)

2021-09-21 06:00

DX推進におけるDX推進度ベンチマークの必要性

 世界的に進む急速なデジタル化の波は、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を機にさらに加速しており、日本においても例外ではありません。さまざまな業界に新しいデジタル技術を用いた破壊的な新規参入者(デジタルディスラプター)が現れている中で、競争優位性を確保するためのデジタルトランスフォーメーション(DX)に迫られている企業や、DXの必要性にここへ来て気づき始める企業が増加しています。

 しかし、DXは単なるデジタライゼーション(既存の業務プロセスの一部をデジタルに置き換える取り組み)とは異なり、組織や従業員の意識変革にまで及ぶ全社的な企業改革を目的とします。このため、事業戦略に整合した全社デジタル戦略の立案が必要であり、この取り組みの開始こそが急務となっているのが現実です。KPMGは、グローバルアセットとして「デジタル成熟度診断ツール」を保有し、当該方法論を用いて全社的なデジタル活用状況を迅速に可視化し、企業のDX推進を支援しています。本稿では、この方法論について解説します。

 「デジタル成熟度診断ツール」は、評価結果のスコアをベースにベンチマーク(判断基準とするため各国企業のデータを基に算出したグローバル平均スコア)を設定し、網羅的分析や全体ロードマップの素案の策定など、将来のDX戦略につながる全社的検討を同時に実現するものです。その結果、優先すべき課題が整理され、全社として一貫性のある施策の推進につながります。

 もし、自社のDXの現在位置を客観的に確認せずに推進した場合、自分がどこに位置しているか分からない状態で航海に出るのと同様、目的地にたどり着く確率は、不可能なレベルまで低下することでしょう。実際に、DX推進に苦慮している企業からは、以下のような声が聞こえます。

  • 過去の成功体験を基にした「前例踏襲型デジタル投資」にとらわれ、既存システムのマイグレーションもしくは各部署が散発的に実施する一部プロセスの自動化に終始している
  • 全社としてのDX推進に関する方針が明確化されておらず、社内の各組織から声の挙がる目先のデジタル化だけに取り組み、抜本的、本質的なデジタル施策に踏み込めないでいる(DXを推進した気になっている)
  • 管理層を含めた従業員のデジタルに関する教育、研修をせず、そもそもDXがどのようなもので、自部門または自身の担当業務へどのような効果があるかイメージできず、DXの着手や導入そのものに消極的である

 このような状態に陥らないよう、デジタルに関する自社の現在位置を網羅的・客観的に把握し、他社とのギャップ、つまりDXに関する課題を把握した上で、全社の方針として一貫性のあるデジタル戦略を立てる必要があります。

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