Intelは米国時間10月27日、「Intel Innovation」イベントで、AT&Tとの新たな提携を含む、複数のプロジェクトを発表した。AT&Tとの提携は、IntelがAT&Tの仮想無線アクセスネットワーク(vRAN)の配備に向けてプロセッサーを提供するというものだ。
AT&Tネットワークサービスの最高技術責任者(CTO)Andre Fuetsch氏は、AT&TはIntelの製品ポートフォリオを活用した展開戦略を推進していくとし、両社は長年、AT&Tの5Gコアや無線アクセスネットワーク(RAN)の変革に向け、協力してきたと述べた。
Intelのネットワークプラットフォームグループでバイスプレジデントを務めるDan Rodriguez氏は米ZDNetに対して、この提携によってAT&Tは「パフォーマンスとコスト、運用効率の最適化とともに、自動化及びクラウドライクな能力をネットワーク上で実現するための柔軟性」を得られるだろうと述べた。
また、Google Cloudとの提携も発表された。Intelは「Mount Evans」という開発コード名で呼ばれているASIC(特定用途向け集積回路)ベースのIPUで、Google Cloudとの「緊密なコラボレーション」を開始したと述べた。両社は「開発者がGoogle Cloudのデータセンター内にあるテクノロジーに容易にアクセスできるよう、業界標準のプログラミング言語と、オープンソース化された『Infrastructure Programmer Development Kit』(IPDK)を活用した、今までになかったオープンなソリューションの設計と開発」で力を合わせていくという。
Intelのソフトウェア及び高度テクノロジーグループのCTO兼シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのGreg Lavender氏は「イノベーションは、開発者が自由につながり、コミュニケーションを取り、コラボレーションするオープンな環境で育つ。テクノロジーは人が生み出したもので、実現できるものを構築している」と述べた。
「テクノロジーは本質的にニュートラルなものでもある。このため、包括的かつサステナブル、そして倫理的かつ責任あるかたちでテクノロジーを使用することは、すべての人の責務となっている。Intelはソフトウェアイノベーションを実現するという具体的な目標の下、オープンプラットフォーム分野における確固たる実績と、土台となるソフトウェアテクノロジーの膨大な資産の構築に向け、投資を重ねてきた」(Lavender氏)
またIntelは、DEKA Research & DevelopmentによるFedExの自動運転型配送ロボット「Roxo」の開発に協力していると発表した。この自律型ロボットはIntelの第11世代「Intel Core i7」プロセッサーや、「Intel RealSense」デプスカメラのほか、人工知能(AI)推論エンジンとなる「OpenVINO」を利用している。
さらにIntelは、第12世代「Intel Core」プロセッサーを発表している。そのほか、SiPearlが設計し、欧州のエクサスケールスーパーコンピューターで利用されるマイクロプロセッサーのHPCアクセラレーターとして、IntelのGPU「Ponte Vecchio」を提供する契約を締結したと発表した。
Intelは、より包括的な「Developer Zone」、「oneAPI 2022」ツールキット、新たな「oneAPI Centers of Excellence」への投資についても発表した。最高経営責任者(CEO)Pat Gelsinger氏によると、これらの新ツールは開発者を支援するためのものだ。
「oneAPI」は既に利用可能となっているが、新たなoneAPI 2022には900の新機能が搭載されるという。oneAPI Centers of Excellenceについては、新たなパートナーが加わり、oneAPIのエコシステムのさらなる普及を実現するとしている。オークリッジ国立研究所、カリフォルニア大学バークレー校、ダラム大学、テネシー大学などがパートナーとなっている。
Intelによると、「Developer Zone」はIntelのソフトウェアカタログとともに、CPU、GPU、FPGA、アクセラレーターまでの幅広いハードウェアでワークロードをテスト、実行するためのDevCloud開発環境へのアクセスを開発者に提供することを念頭に置いているという。人工知能(AI)、クライアント、クラウド、5G/エッジ、ゲーミングなどのレファレンスデザイン、ツールキット、その他の資産によりアクセスしやすくすることを目的としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。