ガートナージャパンは10月28日、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」を発表した。2021年版では16項目を新たに追加した。
ハイプ・サイクルは、さまざまな領域に関するテクノロジーについて市場における位置付けを、黎明(れいめい)期から過度にもてはやされる期間を経た「幻滅期」、最終的にその重要性や役割が理解されて以降の「安定期」までの共通のパターン上で表すもので、グローバルでは年間100本以上発行されている。
日本市場における今回の最新版では、「NFT(非代替性トークン)」「スマート・ワークスペース」「IoTエッジ・アナリシス」などが過度な期待のピーク期に位置付けられた。また、「人間中心のAI(人工知能)」「人間中心のデザイン」「イマーシブ・エクスペリエンス(没入体験)」「デジタル倫理」など、人を中心としたデジタル化の考え方に関わる重要項目や、「6G(第6世代移動体通信)」「振る舞いのインターネット」「トランスフォーマー(NLP)」など追加された。
出典:ガートナージャパン
これらについてアナリスト バイス プレジデントの鈴木雅喜氏は、「新たな16項目の追加は今までにない大幅なもので、デジタル化のトレンドがさらに加速し、企業のビジネスに大きな影響を及ぼす重要なテクノロジー群が未来へ向けさらなる変化の時を迎えていることを反映したもの」と説明する。
また、前回の2020年版では幻滅期の谷に向かっていた「ブロックチェーン」が今回は谷底の近くまで、「AI」は本格的な「啓発期」と、普及段階に進展したと評価。一方で、黎明期の上昇フェーズに位置付けられた「汎用AI」は、2021年版でも黎明期にとどまっているとした。