クラウドの採用が急拡大するとともに、ローコードツールや自動化ツールの大変な人気がこの2年間で実証された。
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テクノロジースタックを多様化し、プロバイダー各社のクラウドコンピューティングサービスを自社のニーズに応じて取捨選択しようとしている組織の間で、マルチクラウドへの支持が広がっている。
企業が自社のインフラストラクチャーの転換を進めているため、従業員も同様に幅広い技術スキルが必要になるだろう。
Gartnerの調査責任者であるMilind Govekar氏は、自動化への傾倒が進むにつれてワークフォースに極めて大きな変化が起きると述べ、それをクラウドビジネス戦略の「目玉」と呼んだ。
「IT組織、特にインフラストラクチャーと運用に携わる組織の考え方が、自動化によって完全に変わる。そうした組織の人々は、管理者であることをやめて、プログラマーになる必要がある。両者のスキルセットは完全に別物だ」。Govekar氏は米ZDNetにこう語った。
自動化の人気が急上昇している背景には、デジタルスキルのギャップのほか、パンデミックのためにデジタルサービスを短期間で立ち上げる必要性が生じたことがある。
たとえば、ローコードツールとノーコードツールは、製品やサービスを迅速にクラウドに移行する必要がある企業の間で人気が高い。Gartnerはこの人気が続くと考えており、ローコードツールとノーコードツールの使用が2025年までに3倍に増えると予想している。
ローコードツールとノーコードツールは、マルチクラウド環境を手際よく運用しなければならない管理者にとって、有用な資産になる可能性があるが、それによって従来のソフトウェア開発やコーディングのスキルの必要性が低下するとは限らない。
「ソフトウェアスキル、特に複雑な問題を解決するソフトウェアスキルの需要が、かつてないほど高まっている。そうした問題の多くは、ローコードツールだけでは解決できない」とForresterのシニアアナリストのTracy Woo氏は語る。
ローコードツールを使用することで、テクノロジーチームの専門家がより高度な問題やサービスに注力できるようになる、とWoo氏は述べた。「したがって、クラウド環境の管理と運用に関する全般的な経験や習熟に加えて、これらのツールの専門知識や習熟も、必須のスキルセットの中心になるだろう」
しかし、クラウド採用の結果として自動化が進むと、他の役割や責任の再構成が必要になる可能性がある。たとえば、定型的なタスクが自動化されるにつれて、これまで管理や監視、保守の業務を担当していたスタッフの再トレーニングや配置換えが必要になるかもしれない。