ウクライナの国営通信事業者に「大規模サイバー攻撃」--「無力化」したと当局発表

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-03-29 11:01

 ウクライナの情報通信当局State Service of Special Communication and Information Protection(SSSCIP)は現地時間3月28日、国営通信事業者Ukrtelecomが「大規模サイバー攻撃」の標的になったと明らかにした。28日の太平洋時間午後12時35分時点で攻撃は無力化されているという。

 インターネットアクセスを世界規模で追跡しているNetBlocksによると、今回の中核ITインフラへの攻撃はウクライナ全域に影響を及ぼし、ロシアによる侵攻が始まって以降ウクライナを襲ったインターネット障害の中で最も深刻なものだったという。NetBlocksは、ネットワークデータから判断し、コネクティビティーは侵攻前の水準の13%まで低下していたようだとしている。

 SSSCIPは同日、Ukrtelecomはサービスを再開しているが、「ネットワークインフラを維持し、ウクライナ国防軍をはじめとする他の軍事組織、顧客へのサービス提供を続けるため、#Ukrtelecomは大半の個人ユーザーと法人クライアントに対するサービスを一時的に制限している」と伝えている。

 SSSCIPの局長Yurii Shchyhol氏は同日の声明で、「人類史上初めてサイバー戦争が進行している」と述べている。

 Shchyhol氏は、「世界のITコミュニティーすべて」がロシアの侵略行為に対して団結しており、MicrosoftOracleなど大手がウクライナを支援していると述べた。さらに、SSSCIPは複数の報告に基づき、「反ロシアの立場をとるハッカーコミュニティー」の主な狙いは、軍事インフラの破壊し、ウクライナを脅かすことだと「推定」できるとしている。

 「われわれが現在抱えている主な難題は、サイバースペースを含むすべての戦場で敵に打ち勝つことだ。われわれ一人一人は、サイバー衛生のルールを守ることで、この戦いを支援できる。知らない人物からのメッセージを開かないこと、出所不明のファイルをダウンロードしないこと、入ってくるすべての情報をうのみにせず批判的に捉えることだ」(SSSCIP)

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. ビジネスアプリケーション

    ITSMに取り組むすべての人へ、概要からツールによる実践まで解説、「ITSMクイックスタートガイド」

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. セキュリティ

    あなたの会社は大丈夫?--サイバー攻撃対策として必要な情報セキュリティの早分かりガイドブック

  5. セキュリティ

    いまさら聞けないPPAPの問題点、「脱PPAP」を実現する3つの手法と注目の"第4のアプローチ"とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]