Appleは米国時間6月5日、2時間強を費やして、同社初の拡張現実ヘッドセット「Vision Pro」を披露し、新型の「Mac」とAppleシリコンを発表した。さらに、過去の「Worldwide Developers Conference」(WWDC)と同様、「iPhone」「iPad」「Apple Watch」「Mac」に提供予定の多数のソフトウェア機能も発表した。
提供:June Wan/ZDNET
しかし、10年近くにわたる研究開発の成果を午後の基調講演に詰め込むと、ライブでは言及されない情報も出てくる。そうした情報は、熱心な愛好家や開発者だけが発見できる有益なテクノロジー情報だ。それを見つけられる人間には、もしかすると、「AppleがひっそりとリリースしたX機能」というブログ記事を執筆したいジャーナリストも含まれるかもしれない。それは筆者のことだ。
本記事では、「iOS 17」の最初の開発者ベータ版に搭載されている5つの新機能を紹介する。iOS 17は2023年秋に正式にリリースされる予定だ。この記事を読めば、読者の皆さんも、これらの機能を今すぐ利用できればいいのにと思うはずだ。
1. インタラクティブウィジェット
ホーム画面に配置されたウィジェットを見て、全画面に展開しなくても、タップやスワイプ、操作ができればいいのにと思ったことはないだろうか。
AppleはWWDCで、iPad向けのインタラクティブウィジェットを発表したが、この機能はiPhoneでも利用可能で、iPadよりも限定的ながら、音楽の再生や一時停止、「リマインダー」タイルのチェックボックスのオフ、スマートホーム機器のオン/オフなどの機能にホーム画面から直接アクセスすることができる。
インタラクティブウィジェットは、2020年に「iOS 14」で初めて導入されたサイズ変更可能なウィジェットが順当に進化したもののように思える。現時点では、この機能をサポートするアプリには、「リマインダー」「Apple Music」「ホーム」などのファーストパーティーサービス、「Quizlet」などの一部のサードパーティーサービスが含まれる。iOS 17がベータ段階を脱する頃には、インタラクティブウィジェットをサポートするアプリがさらに増えているはずだ。
2. 「メール」で認証コードを自動入力
多要素認証(2FA)の普及が進んでいるため、iPhoneで認証コードを受信して入力する方法を合理化する必要があることは明白だ。Appleは、テキストメッセージで受信した認証コードの自動入力機能をすでに実装済みであり、この機能を電子メールにも拡張することは、最も理にかなった次のステップだ。
iOS 17では、「メール」アプリ経由で送信された認証コードも2FAのプロンプトに自動入力されるため、ユーザーはより効率的かつ迅速にサインイン試行を確認できるようになる。以前は、メールを個別に開いて、コードをコピーし、認証テキストフィールドに貼り付ける必要があった。
3. 使用した認証コードの自動削除
先ほど紹介した機能と誤解しないでほしい。「Clean Up Automatically」は、自動入力で使用された「メッセージ」および「メール」内の認証コードを自動的に削除するようiPhoneに指示する。この新機能は、iOS 17の「パスワードオプション」に組み込まれている。もっと早く提供してくれればよかったのにと思う人もいるかもしれない。
4. サードパーティーアプリのビデオエフェクト
「Android」と比較すると、iPhoneの方がサードパーティーアプリ(Instagram、Snapchat、TikTokなど)で優れたカメラ体験を提供することはほぼ間違いないが、新しいビデオエフェクト機能により、iOSとAndroidの差はさらに広がるだろう。
サードパーティーのカメラアプリを開いた状態で、「コントロールセンター」を下にスワイプすると、ビデオエフェクトのトグルが表示される。アプリ内で、スタジオ照明効果やポートレートのぼかし、さらには、バックグラウンドアプリで記録されているものに重ねて表示されるARリアクションも設定することが可能だ。
iPhoneに標準で搭載されているフィルターを適用した場合のエフェクトは、サードパーティーのサービスによって計算されたものよりも自然に見える。
5. 「Face ID」で「Safari」の「プライベートブラウズ」をロック
プライベートブラウズ(Safariのシークレットモード)を使用すると、ユーザーはトラッカーやブラウザー履歴の記録、機密情報の公共デバイスへの流出について心配せずに、ウェブサーフィンを楽しむことができる。iOS 17では、Face IDによってプライベートブラウズセッションをロックする新しいセキュリティ機能が導入されている。
以前は、スマートフォンのロックが解除されている場合、そのスマートフォンにアクセスできる人なら誰でも、ユーザーの閲覧アクティビティーを見ることができた。それは、プライベートブラウズを使用している場合でも同じだった。iOS 17では、Face IDスキャンやパスコードによって、Safariでのアクティビティーを保護できるようになる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。