AIエージェントのエコシステムが作る未来--アクセンチュア予測

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2024-01-25 12:37

 人工知能(AI)を搭載したエージェント、すなわち自動化されたアシスタントは既に広く普及しており、互いにコミュニケーションを取るまでになってきている。その結果、人々がテクノロジーとやり取りする方法に変革をもたらす強力なエコシステムが作り上げられようとしている。こうした流れの中では、エージェントのネットワークを発展させるとともに監視し、安全面での対策を実装できるスキルを備えた人材が求められるようになると考えられる。

ネットワークのイメージ
提供:Weiquan Lin/Getty Images

 これはコンサルタント企業Accentureの予測だ。同社は、AIをはじめとするディスラプティブなシステムによって実現されるエージェントのエコシステムや、人間を中心に据えたテクノロジーの興隆について詳細に分析したレポートを公開した。テクノロジーが人間のように振る舞い、人々にとってより直感的に扱えるようになってきているとするこのレポートは、AccentureのPaul Daugherty氏とAdam Burden氏、Michael Biltz氏によって執筆された。同レポートには、「われわれを待ち受けているのは、テクノロジーが普遍的に存在するというだけでなく、空気のような存在となる世界だ」と記されている

 このレポートの著者らは、エージェントのエコシステム(相互接続されたAIの大規模ネットワーク)の興隆により、「企業は自社の情報戦略や自動化戦略を今までとは根本的に違う形で考えざるを得なくなるだろう」と説明している。こうしたエコシステムは、AIが単一のタスクを実行するところから、「適切な監視の下で互いに協力し、人や企業に代わって行動できる」ようなエージェントを支援していくというところにまで進化していく中で、発展していくと考えられる。

 このようなかたちで相互接続されたAI搭載エージェントは、「われわれにアドバイスを与え、支援してくれるだけでなく、現実世界とデジタル世界の双方でわれわれに代わって意思決定を行うようになる」という。

 著者らは、エージェントのエコシステムによって生産性は新たな段階に引き上げられると続けている。AIがエージェントへと進化していくとともに、「自動化されたシステムは自ら、すべきことを判断し、実行するようになる。つまり、エージェントは人間にアドバイスを与えるだけでなく、人間に代わって行動するようになる。AIは今後もテキストや画像を生成したり、洞察力を発揮し続けていく一方で、それらを用いて自らの行うことを決定するようになる」という。

 その一例として、レポートの著者らはDoNotPayという会社を紹介した。この会社は、「コンシューマーのお金の節約を支援するために、駐車違反の反則切符に対する異議申し立てから、利用していないサブスクリプションの洗い出しに至るまでのさまざまなサービス」を提供している。

 とは言うものの、著者らは「(こうしたエージェントは)ガイド役を果たす人間がいて初めて価値を持つ。人間の知識と推論能力が、エージェントのネットワークに優位性を与える」と述べている。また、エージェントネットワークの構築と管理に携わる人材には、エージェントの能力を確実なものにするためのガイドラインを設定するスキルが求められるとも指摘している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]