WithSecureは2月20日、米国、英国、日本など11カ国の法執行機関による共同作戦「Operation Cronos」によってランサムウェアグループ「Lockbit」のリークサイトが押収されたとの報道についてコメントした。
同社でシニアスレットインテリジェンスアナリストを務めるStephen Robinson氏は、2023年におけるランサムウェア攻撃の20%がLockbitランサムウェアグループによるものであったことから、Operation Cronosが同グループの内部機能や通信にどれだけアクセスできたかによって、今回のサイト押収がサイバー犯罪のエコシステムに与える影響が変わってくると述べる。その上で、Operation Cronosによるアクセスはかなり包括的なもので、Lockbitのような大規模なランサムウェアグループの背後にいるメンバーに対する法的・金銭的脅威は非常に重大な影響をもたらすとの考えを示す。
Operation CronosがLockbitリークサイトにアクセスする際、パッチが適用されていない「PHP」の脆弱(ぜいじゃく)性を突いたと思われるとRobinson氏は語り、「これが事実ならば、Lockbitがこれまで多くの侵害事件でパッチが適用されていない脆弱な、インターネット境界に面したインフラにリモートでアクセスしていたことを考えると、とても皮肉な結果」と続ける。
Robinson氏は、今回のサイト押収について、別グループ「ALPHV」のサイトが先ごろ押収されたのと類似していると述べる。ALPHVは、サイト押収を受け、アフィリエイトのために以前は攻撃対象外としていたインフラ企業/機関(CNI)を標的にすると発表したことを同氏は指摘する。
「Operation Cronosが単にスズメバチの巣を蹴っただけで、LockbitがALPHVの例に沿って対応するという可能性もある」とRobinson氏としつつ、「Operation CronosはLockbitの内部により深く侵入できたようで、これはLockbitとその関係者にとっては致命的な打撃となる可能性がある」とコメントする。
「もし今回のサイト押収に関する報道が正確であれば、これは私たちが目撃した中で最も大規模な押収の1つとなる可能性があり、Lockbitのような大型のグループにとってふさわしい結末となるのではないか」(同氏)