NutanixとEnterpriseDB(EDB)は現地時間5月21日、モダンなデータプラットフォームの提供で提携を拡大したことを発表した。スペイン・バルセロナで開かれたNutanixの年次カンファレンス「.NEXT 2024」で明らかにした。両社は今後、要求が厳しいエンタープライズ環境での「PostgreSQL」の導入を促進する。
今回のパートナーシップ拡大に伴い、EDBは「Nutanix データベースサービス」(NDB)の公式サポートデータベースとなる。EDBのパフォーマンス強化機能、高度なセキュリティ機能、Oracleの互換性機能と、NDBのAPIドリブンな開発者向け統合機能とデータベース管理機能が組み合わさることで、より信頼性の高いデータベース運用が可能となる。
EDBは、トランザクションワークロード以外の分野への機能拡大も支援可能で、将来的にはアナリティクスやAI実装型のアプリケーションにも対応できるとのこと。
EDBの最高経営責任者(CEO)であるKevin Dallas氏は、「NutanixとEDBのパートナーシップの拡大は、レガシーシステムからのシームレスな移行を約束しつつ、トランザクション、分析、AIのワークロードをサポートすることで、AI時代のアプリケーションに競争上の優位性をもたらす。EDBの将来的なデータ/AIプラットフォームにより、今後はPostgreSQLがデータ分析とAIの分野に進出することで、企業にとってはPostgreSQLベースの包括的なデータエコシステムが提供される」とコメントする。
NutanixとEDBの両社の顧客企業は、次のようなメリットが得られるとしている。
- 一貫した運用:NDBは、自動化機能を使用することで、データベースのプロビジョニングと管理のタスク(クローン作成、パッチ適用、バックアップなど)を簡素化する。これにより、データベース管理者は、増加の一途をたどるデータベースを管理しつつ、フリート全体を対象に、一貫した形でベストプラクティスを導入できる
- データベース・アズ・コード:NDBにより、運用チームとプラットフォームエンジニアリングチームは、EDBソリューションを開発者向けプラットフォームにシームレスに統合できるため、開発者はチケットの記録で数日~数週間も待たされることなく、数分~数時間以内にセルフサービスでデータベースを導入できる
- 移行の簡素化:EDBの互換性機能と関連する移行ツールにより、顧客企業は変更を最小限またはゼロに抑えつつ、商用データベース用に記述された多くのアプリケーションを実行できる。この結果、移行のスピードアップとリスクの削減が実現し、開発者は「Postgres」での作業をいち早く開始できる
- マルチクラウドインフラストラクチャー:ITおよび運用チームは、Nutanixハイブリッドマルチクラウドインフラストラクチャー上のプライベートクラウドとパブリッククラウドでEDBソリューションを実行しつつ、データ層での集中的・協調的なサポートを活用できる
- パフォーマンスと信頼性の強化:EDBには、並列クエリー処理などの高度なパフォーマンス/セキュリティ機能が採用されている。一方、Nutanixのモダンインフラストラクチャーは、データベースのパフォーマンス、拡張性、可用性のさらなる最適化を実現する。その結果、PostgreSQLは、より幅広いビジネスクリティカルなアプリケーションとワークロードに適している
- 包括的な顧客サポート:ベストプラクティスのアドバイス、パフォーマンスのトラブルシューティングのアドバイス、データベースエンジンのバグ修正など、ハードウェア、データベースソフトウェア、拡張機能に関する包括的なエンタープライズサポートが、NutanixとEDBの双方からシームレスに提供される
Nutanix 最高コマーシャル責任者のTarkan Maner氏(左)と対談するEDB 最高経営責任者(CEO)のKevin Dallas氏
(取材協力:ニュータニックス・ジャパン)