富士通と日本総研、三井住友銀行のRHELバージョンアップで生成AIを検証

ZDNET Japan Staff

2025-01-24 15:29

 日本総合研究所(日本総研)と富士通は、三井住友銀行での「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)のバージョンアップにおいて非互換対応に生成AIを活用する共同実証を行っているとし、検証フェーズで成果があったと発表した。

 両社によると、共同実証はRHELのバージョンアップに伴う膨大な非互換性の特定と対応における生成AIの活用を目指すもの。金融機関の基幹システムインフラのバージョンアップは、膨大な時間とコストを要し、特に非互換性の特定と対応でシステム停止などのリスクを伴うため、生成AIの活用により生産性向上と安定稼働を両立させたいという。

 この取り組みは、2024年11月5日~2025年1月15日の検証フェーズと、同1月16日に開始した実行フェーズの2段階で実施している。検証フェーズでは、富士通が開発する生成AIを用いた独自システムで非互換情報を約400個抽出。その中から対象となるC言語、bashシェルで記述された約380キロステップのアプリケーションに影響する非互換情報を特定した。従来はリリースノートから膨大なドキュメントを目視や手作業で非互換情報を抽出する多大な負担があったが、今回の生成AI活用で抽出時間を約65%削減することができたという。

 両社は、現在行っている実行フェーズで、検証フェーズにおいて特定された非互換の部分のアプリケーションソースコードの修正に生成AIを活用中。日本総研は、このプロジェクトの品質評価結果に基づいて三井住友銀行グループにおけるシステム開発プロジェクトに適合させる方法を検討していくとし、富士通は、今回培った技術とノウハウを生かして生成AIによる生産性向上支援などに取り組むという。

実証イメージ(出典:報道発表資料)
実証イメージ(出典:報道発表資料)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. ビジネスアプリケーション

    ITSMに取り組むすべての人へ、概要からツールによる実践まで解説、「ITSMクイックスタートガイド」

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. セキュリティ

    あなたの会社は大丈夫?--サイバー攻撃対策として必要な情報セキュリティの早分かりガイドブック

  5. セキュリティ

    いまさら聞けないPPAPの問題点、「脱PPAP」を実現する3つの手法と注目の"第4のアプローチ"とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]