日立製作所(日立)は、統合システム運用管理「JP1」のSaaS版である「JP1 Cloud Service」において、生成AIを用いた運用効率化・自動化に関する実証実験を開始した。3月29日まで行う予定。
具体的には、生成AIを対話形式で容易に利用できる生成AIアシスタント(開発中の機能)を用いて、生成AIの応答内容の正確性などを検証する。そのうえで運用オペレーターがシステム監視中に発生する各種イベント(メッセージ)への対応を効率化することを想定して実証を進める。
生成AIアシスタントは、オペレーターに代わって、発生した障害イベントに応じた質問文を自動作成する。作成された質問文に対し、生成AIが運用マニュアルや公開技術情報を元に応答する。さらにその応答内容(対処方法)に誤りがないかなどを、専門家が評価する。
実証結果をもとに、運用オペレーターの障害対応を支援する生成AIアシスタントの質問応答機能を、4月を目標に提供する予定だ。
実証の概要図
実証環境は開発中の「JP1 Cloud Service システム管理」と、接続する生成AI環境として「Azure OpenAI Service」「Amazon Bedrock」を準備した。
実証に利用する入力データは、日立のマネージドサービス部門のシステム運用業務を想定した運用マニュアルなどのドキュメント類、および疑似的に発生させる運用イベントなどの運用管理データを利用する。
JP1 Cloud Serviceの生成AIアシスタントによる運用効率化・自動化(将来像)
日立では、JP1 Cloud Serviceにおいて生成AIアシスタントの開発・提供だけでなく、クラウド運用に関する自動化のためのコード生成といった先進的なユースケースの実用化にも取り組んでいく。